研究課題/領域番号 |
19K04839
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
豊田 和弘 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10361411)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 帯電放電 / 表面電位 / 放電閾値 / ポッケルス効果 / 宇宙用太陽電池 / 表面電位分布計測 / 宇宙機帯電 / 表面電位計測 / 宇宙機太陽電池パネル / 真空紫外線 / 電子ビーム |
研究開始時の研究の概要 |
静止軌道での表面帯電では、紫外線による光電子電流と宇宙プラズマによる数十keVまでの電子が支配的となるが、近年行った実験では電子ビームを用いた時よりも紫外線を使用した方が閾値電圧が低くなるという結果を得た。閾値電圧が異なると放電のエネルギーが違うため、帯放電試験に影響を与えることになる。 本研究では、紫外線と電子ビームでの閾値の違いを明らかにすることを目的としている。実験では、放電閾値に影響を与えると考えれらるカバーガラス端面の表面電位をマイクロメーターのオーダーで計測することで評価する。これはポッケルス効果を用いた光計測によって実現する。また数値解析でも帯電の様子を明らかにする。
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研究成果の概要 |
静止軌道では人工衛星は紫外線や電子により帯電放電するため、打ち上げ前に対策として放電発生閾値測定を行なっている。近年行った実験で電子ビームを用いた時よりも紫外線を使用した方が太陽電池上での放電閾値電圧が低くなるという結果を得た。この原因を明らかにするため、ポッケルス効果を利用し、カバーガラス端部の表面電位を詳細に計測した。 ポッケルス素子は電界により屈折率が変化する特性を利用して構築したポッケルス効果による表面電位計測系を用いて表面電位の2次元分布を得た。また紫外線と電子ビームによる表面帯電分布の違いについても確認することができた。さらに帯電解析ソフトでもその違いが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
打ち上げ前に実施している太陽電池パネルの帯電放電試験では、放電のエネルギーを決定する放電閾値電圧が非常に重要となる。帯電の原因となる電子と紫外線で放電閾値電圧が異なることを実験的に明らかにし、その原因がカバーガラス端近傍の表面電位分布の違いにあると推測し、今回ポッケルス効果を用いて原因を明らかにした。ポッケルス効果により詳細な表面電位分布を得ることは学術的に意義があり、今後もこの計測方法を利用して新たな問題を解決できる。また、地上試験で紫外線と電子ビームのどちらを使用するべきかを明らかにしたこで社会的に大きな意義があった。
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