研究課題/領域番号 |
19K04857
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
千賀 英敬 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60432522)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 渦励振 / ライザー管 / 浮力体 / 螺旋溝 / 曳航試験 / 長大弾性管 |
研究開始時の研究の概要 |
深海底資源の掘削・移送には、何本もの管を繋ぎ合わせた長大なライザー管が利用される。管には潮流や波浪等の外力が働き、複雑な挙動を示す。また渦励振(VIV)と呼ばれる管の振動は、資源の掘削・移送作業の妨げとなる。 海洋構造物の渦励振の軽減を目的とした付加物は現存するが、ライザー管には自重を相殺するための浮力体を取り付ける必要があり、その外側に複雑な形状の付加物を取り付けることは、管のハンドリングや保管方法から判断すると難しい。 本研究では、浮力体として要求される性能を満足したうえで、渦励振を軽減可能な浮力体形状を実験と数値計算の両面から検討し、海底資源の開発・移送を安全で効率良く行うことに寄与する。
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研究成果の概要 |
ライザー管に取り付ける浮力体に渦励振の軽減性能を持たせるため、螺旋状の溝を有する浮力体模型の渦励振軽減性能を実験・数値計算にて検証した。 回流水槽での実験結果から、固定条件下では抗力を減少させる螺旋溝であっても、円柱と同程度の振幅の渦励振が発生しうること、体積が同じ浮力体であれば、溝の幅よりも深さが渦励振の軽減性能に有効であることを示した。3 [m]の浮力体模型を曳航した実験では、本研究で用いた螺旋溝は円柱と比べて主流方向の抗力を減少させ、渦励振による振動振幅は約7割軽減することを示した。OpenFOAMを用いた数値計算では、定性的な一致は見られたが定量的な一致の精度は低く、改善が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
回流水槽における模型両端を固定・ばね支持条件での実験結果は,拘束条件下で抗力を減少可能な螺旋溝であっても,円柱形状と同程度の振幅の渦励振が発生することを示した.異なる螺旋溝を有した同一体積の浮力体であれば,溝の幅よりも深さのほうが渦励振の軽減性能に効くことを示した.これらは螺旋溝のパラメーター設定に寄与する。 曳航水槽で行った3[m]の模型を用いた実験結果から、長手方向に同一の幅と深さの螺旋溝を用いると、渦励振の振動振幅は軽減可能であっても、発生する渦励振には周期性が生じる。任意の位置近傍の渦の剥離位置はずらせてはいるが,長手方向の他の位置において渦の剥離位置が揃うことが原因であることを示した。
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