研究課題/領域番号 |
19K04863
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
安藤 孝弘 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (30425756)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 減揺装置 |
研究開始時の研究の概要 |
作業船や浮体式洋上プラントの作業性の向上や稼働効率の向上、ならびに浮体式港湾施設等の需要が増す中、低速運行時や停船時における減揺対策の需要が高まっているが、従来型の減揺装置では効果が限定的であったり装置周辺の損傷が懸念されるなど課題が多い。 本研究では、上記のような低速運行時や停船時の減揺対策が必要な浮体を対象として、特許出願済みであるRoll、Pitchの水平二方向の揺れを能動的に制御可能な新形式減揺タンクの採用を提案し、得られる減揺効果や姿勢安定効果を実験的に明らかにすると共に、更にその性能推定・評価を実施する。
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研究実績の概要 |
令和2年度は,各種タンク形状における減衰特性の把握を目的とする減衰振動計測用の模型を完成させた.また粒子法を使用した数値シミュレーションにより,代表的な形状の減揺タンクと円環型タンクを使用した減揺タンク模型の試設計を行うと共に,減衰特性を調査した. 1.円環型減揺タンクの減衰特性の把握 令和元年度に引き続き,円環型減揺タンクの,タンク個数・タンク位置・タンク間距離を任意に変更可能な分離型タンク式の検証用模型を完成させ,動作確認までを終えた.但し当初の計画にあった当該検証用模型を使用した減衰振動計測については,検証用模型の完成までに時間を要したことから,令和3年度の第1四半期を目処に実施するように研究計画を変更した. 2.各種タンク形状における減衰特性の把握 円環型減揺タンクと,寸法等が公開されている代表的なU字管タイプの減揺タンクの性能比較を行うために,両者の外寸,減衰特性,内部液体を含めた重量等が同等となるようなタンク形状設計を,粒子法による数値シミュレーションとして実施した.この結果をもとに,強制動揺試験(ベンチテスト)用のアクリルタンク模型2体(円環型1体,U字菅型1体)を設計・製作した.また使用するスロッシング試験装置に設置可能なベンチテスト専用の検力用治具を設計・製作した.更に上記シミュレーションから得られた知見をもとに,円環型減揺タンクへの機能追加を検討するとともに特許出願準備を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度当初より,分離型タンク式の検証用模型の製作し,これ用いた減衰振動計測を開始する予定であったが,新型コロナ感染症による非常事態宣言等への対応により,実地作業が困難な期間が発生したために遅れが生じ,予定していた減衰振動計測までを実施することができなかった.また上記期間への対応として,振動試験の一部の内容を粒子法を用いた数値シミュレーションを用いた検討へと変更したが,計算環境の構築や計算モデルの作成等に時間を要しため,本研究全体の進捗としては,申請時の計画から3カ月程度遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
円環型減揺タンク模型の減衰振動計測は,タンク形状や水路内液位,液体旋回時の流速等をパラメータとして網羅的に実施する予定であったが,本研究の進捗がやや遅れていることから,円環タンクの数量は固定し設置位置のみの変更とするなど,試験条件を絞って実施する. 令和2年度に製作したアクリルタンク模型を使用する強制動揺試験については,円環型減揺タンク模型の試験は予定通りとするが,比較的構造が簡単なU字管タイプの減揺タンクの試験については,数値計算用の検証データの取得を目的とした数ケース程度の試験条件に絞り実施し,残りの試験ケースを数値シミュレーションにより補完する.更に数値シミュレーションの精度向上が見込める場合には,模型試験で実施予定であった減揺特性の縮尺影響の検討についても,数値シミュレーションを活用し,模型試験と並行して進めていく.
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