研究課題/領域番号 |
19K04875
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
山口 良隆 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (20344236)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 生物付着防止 / 生物越境移動防止 / 防汚システム / 光触媒 / チタニア / 海水 / 船体 / ニッチエリア / 防汚効果 / 越境生物防止 / 船舶 |
研究開始時の研究の概要 |
船体付着による生物の越境移動が問題となり、その中でもシーチェスト等のニッチエリアの生物汚損除去が難しい。そのためニッチエリアに対応可能な高性能な防汚システムの開発が、期待されている。本研究では、淡水中で高効率な防汚効果があるチタニア光触媒に着目した。しかし、光触媒効果に必要な太陽光の波長が、塩水中で吸収されるため、海洋中での光触媒の利用例は、非常に少ない。 そこで、本研究では、ニッチエリアでの利用を念頭に、太陽光が届かない場所で光触媒を利用するため、触媒近傍での人工光照射を行い、光触媒の最適条件を探る。条件を把握した上で、人工光で照射する光触媒防汚システムを作製し、性能試験を行う。
|
研究成果の概要 |
船舶を媒介にした越境生物防止に関する新しい防汚システムの開発を目標として、その防汚性能の基盤技術を確立するため、チタニア光触媒について研究を行った。チタニア光触媒は、海水中では塩成分が大きくの影響し、利用するのが難しいとされていた。しかし、本研究において多数のチタニア種を光触媒として有機物の分解を行ったところ、海水中において利用可能な光触媒種を見出すことができた。得られた結果により生物付着の起点となるたんぱく質や有機物の分解が可能となることにより、新しい船体への防汚システム開発の基礎技術が得られたと考えている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
船体に付着した生物が、船舶と一緒に移動し、違う海域に運ばれ、外来種として生活圏を広げて、元来の生態系を破壊されることが、世界的に懸念されている。船体の一部の平滑でない場所(ニッチエリア)において、防汚塗料では、薬剤の溶出量が制御できず、生物の付着を阻止できない場所がある。また、防汚のために意図的に薬剤を多く流すと環境汚染につながる可能性がある。そのため、薬剤を使わない新しいシステムの開発が必要である。そこで、チタニア光触媒に着目し、海水や水において生物付着阻止機能に繋がる有機物分解を確認した。このため、薬剤を使用しない船舶における生物付着防止の基礎技術を得られたと考えている。
|