研究課題/領域番号 |
19K04878
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
後藤 美香 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (50371208)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | イノベーション / 生産効率性 / 技術進歩 / エネルギー企業 / M&A / 経営効率性 / 技術獲得 / 事業買収 / 生産性 / 効率性 / 特許 / 電力企業 / ガス企業 / DEA / イノベーション創出 / データ包絡分析法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、国内外のエネルギー企業に着目し、イノベーション創出への取り組みとその成果を取り入れた、新たな経営効率性評価手法の構築と応用を行う。社会的課題を解決し、人々の生活を豊かにするようなイノベーションを創出するためには、どのような戦略や取り組みが有効であるかを明らかにすることを目指す。 そのために、データ包絡分析法(data envelopment analysis: DEA)に基づく新たなモデルを提案する。DEAは事業体などを対象に、複数の投入要素と生産物を同時に考慮する総合的効率性評価手法であり、近年では環境への配慮やエネルギー効率を考慮したさまざまな応用モデルへの拡張が提案されている。
|
研究実績の概要 |
本研究課題は、1990年代の電力・ガス自由化以降のエネルギー企業を対象に、イノベーション創出への取り組み(インプット)と成果(アウトプット)を再定義し、新たな経営効率性評価手法の提案および実証分析への応用について研究することを目的としている。それにより、イノベーションの可視化手法の1つとして、生産効率性の時間的変化ならびに技術進歩を計測する方法を提案することを目指している。2022年度は、OECD諸国のエネルギー部門のパネルデータを対象に、複数年の参照データをシフトさせながら、生産効率性指標の時間変化と技術進歩指標を持続可能なエネルギー利用の観点から計測し、結果の考察・とりまとめと論文執筆を行った。さらにそれらの指標にグループ内、グループ間の収束傾向が見られるかどうかを検証した。大手エネルギー企業のイノベーション創出とM&Aの関係については、サンプルデータの収集と効率性の計測および効率性の説明要因の分析を継続実施している。現在のところ、効率性の計測モデルの改良は進んでいるものの、要因推定モデルの説明力が弱く、インプット、アウトプットの各データの更新・拡張を継続し、推定モデルの改良を継続する必要がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
エネルギー部門を対象とした生産効率性の時間変化と技術進歩の計測はおおむね順調に進捗している。一方で、大手エネルギー企業のイノベーション創出とM&Aの関係については、技術獲得やイノベーションのための新規事業の買収・売却が経営効率性に及ぼす影響の分析を行うため、日米欧の大規模エネルギー事業者に関する経営効率性の計測とその要因推定を行っているものの、説明力が弱く、インプット、アウトプットの各データの更新・拡張を継続し、モデルの改良を継続している。分析結果のとりまとめと論文執筆を一旦は終え、ジャーナル投稿をしたものの採択には至っておらず、作業を継続している。サンプル収集ルールやサンプル数の変更など、データの再構築と生産効率性の計測、および効率性の要因推定を行い改定を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
エネルギー企業のイノベーション創出とM&Aの関係については、大規模エネルギー事業者に関する経営効率性の計測とインプット、アウトプットデータの更新・拡張を進める。技術獲得やイノベーションのための新規事業の買収・売却が経営効率性に及ぼす影響の分析については、データの再構築に伴い生産効率性の計測および効率性の要因推定を再度実施し、かなりの改定を行う必要がある。この作業を完了し論文に反映させるとともに、再投稿を進める。この過程で引き続き効率性評価のためのDEAモデルの改良と、定性的情報を効果的に取り込み統合的情報として活用する方法についても検討を行い、モデルへの実装と応用分析の拡張を目指す。
|