• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

フレキシブルな大規模救急車シミュレータの開発と政策応用のための数値実験

研究課題

研究課題/領域番号 19K04882
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分25010:社会システム工学関連
研究機関秋田県立大学

研究代表者

稲川 敬介  秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (50410759)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワード救急車 / シミュレーション / 最適配置 / 都市計画・建築計画 / 政策研究 / 救命 / モデル化 / オペレーションズ・リサーチ / シミュレーション工学 / 地理情報システム(GIS) / 都市整備
研究開始時の研究の概要

本研究では,さまざまな自治体の救急システムに適用可能となるフレキシブルで大規模な救急車のシミュレータ開発をおこなう.このシミュレータでは,人口200万人超の大都市も,人口10万人未満の中小規模の都市も,統一的な枠組みでシミュレーションすることが可能となる.
加えて,シミュレーション適用のためにおこなうデータ分析を活用して,救急需要の将来推計についても試みる.人口減少が進行している地方都市では,高齢化による需要増大と人口減少による需要の減少が同時に起こっている.これらの状況を解析し,長期的な救急システムの運用計画に有益な情報を提供することを目的とする.

研究実績の概要

研究計画五年度目におこなった主な研究内容は,これまで取り組んできた2点の研究内容についてまとめ,論文として発表したことである.これらに関する具体的な取り組みと活動を以下にまとめる.
1.研究計画四年度目までにおこなった人口減少地域における施設計画についての研究をまとめ,論文(アクセシビリティによる施設削減計画の影響分析について,日本経営数学会誌,査読あり)として発表した.この研究は,施設と住民の近さ(アクセシビリティ)に着目して,施設の削減という政策に対して数値実験をおこなったものである.最適な配置の結果だけに着目するのではなく,削減計画の途中の状態の評価についても,十分な配慮を定式化に組み込むことにより,住民への影響を減少させることができる.本研究では,数値実験により,この事実を具体的な指標の数値として求めたものである.また,これら内容を具体的に応用するため,ある自治体と新たに秘密保持契約の締結をおこなった.
2.本研究課題の遂行中に人口減少が問題となり,人口推計などの研究をおこなう過程で発生した共同研究について,論文(認知度の低い自然・文化観光資源の利用促進における個人の嗜好を考慮した行き先推薦システムの提案,日本経営数学会誌,査読あり)としてまとめて発表した.本研究は,人口減少を含めたさまざまな要因により,利用者が極めて少ない施設についての研究である.近年,オーバーツーリズムによる施設や観光地の過剰利用の問題をよく耳にするが,その陰で,過少利用により荒廃が進む施設も数多く存在する.これらの過少利用施設は,適切に扱うことができれば,過剰利用施設の問題を緩和し,かつ,地域の資源として活用することができる.本研究では,これらの問題点と問題構造を指摘した後,解決策の一例として,個人の嗜好を考慮した行き先推薦システムを提案している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究計画五年度目のおおまかな研究計画は,研究内容をまとめ,論文として報告することであった.しかしながら,研究計画当初からCOVID-19ウィルスの感染症対策による中断,想定していたシミュレータ開発環境が異なる状況になったこと,研究計画三年度目に将来人口の推計を優先させることにしたことなどにより,遅れが生じている.
シミュレータの開発については,これまでと異なる開発環境になったことから,新たな開発環境による再構築が必要となった.この点やCOVID-19ウィルスの感染症対策などを理由として中断していたところ,シミュレーション実験などの研究成果は自治体の将来設計に大きく依存するため,先に,将来人口推計などによる将来需要の推計が必要であるとの考えに至った.これは,ある程度わかっていたことではあるが,具体的な実現が難しい内容であるので,研究当初はシミュレータの構築のみおこなう予定であった.しかしながら,研究計画の途中で,共同研究などの新たな可能性が生まれたことから,将来人口と施設配置の内容を優先した.その結果,人口減少地域における施設計画についての論文と,過少利用施設についての共同研究について論文という2本の論文を発表することができた.この点は,研究計画5年度目に研究内容を論文として報告するという当初の計画に合致している.よって,本研究課題によって論文を報告することはできたが,当初の目的である大規模救急車シミュレータの開発が送れたままであるので,研究全体における現在までの進捗状況は,(4)遅れていると評価する.この点については,研究計画を1年延長して,次年度を最終年度とすることで対応する.

今後の研究の推進方策

研究計画最終年度は,研究成果を具体的に社会に還元するため,はじめに,秘密保持契約を締結した消防局から提供していただく救急データの分析をおこなう.救急データの分析は,通常,ある程度の時間が必要となるが,これまでの経験を活用して,本研究課題で取り扱うシミュレーション実験と最適配置のデータ作成に重心を置き,スピード感を持っておこなうものとする.
データ分析の後はシミュレータの開発を再開し,分析した救急データを参照しながら調整をおこなう.シミュレータの開発は,一時中断していたものの,前年度までに基礎部分はできているので,開発環境の移行をおこない,年度内での完成を目指す.そして,完成したシミュレータにデータ分析をおこなったデータを適用し,シミュレーション実験をおこなう.このシミュレーション実験では,救急車の現状配備と将来の最適配置との比較など,政策に沿った実験をおこない,考察をおこなう.考察結果をまとめて,現場の消防局員と議論し,研究成果を社会に還元する.また,消防局の許可を得たのち,これら一連の研究成果について,学会等で口頭発表により公表する.また,公表可能な部分について文書としてまとめ,論文投稿についても可能な限り努力する.
さらに,上記の内容に加え,本研究期間中のいくつかの派生研究についても,研究成果をまとめて公表する.特に,研究計画四年度目から開始した本研究課題とも関連の深い共同研究については,同時に研究を進め,並行して研究を進める.

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (25件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 認知度の低い自然・文化観光資源の利用促進における個人の嗜好を考慮した行き先推薦システムの提案2024

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介,嶋崎善章
    • 雑誌名

      日本経営数学会誌

      巻: 42巻1・2号 ページ: 55-69

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] アクセシビリティによる施設削減計画の影響分析について2023

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介
    • 雑誌名

      日本経営数学会誌

      巻: 41巻1・2号 ページ: 19-31

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 秋田県の洋上風力発電-動き始めた巨大プロジェクト2023

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介
    • 雑誌名

      都市計画358

      巻: 71.5 ページ: 3-3

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] e-ラーニングシステムにおけるテーラーメイド型カリキュラムの自動作成について2023

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介,木戸和彦,橋本信一,新田晴彦,岡崎弘信
    • 雑誌名

      岡山e-ラーニング研究会紀要

      巻: 1 ページ: 50-58

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 施設の削減によるアクセシビリティの変化について2020

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介
    • 雑誌名

      ORによる大規模インフラストラクチャー分析研究会2019年度最終報告書

      巻: - ページ: 147-162

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 消防施設の削減計画とアクセシビリティ分析について2020

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介
    • 雑誌名

      日本経営数学会第42回全国研究大会報告要旨集

      巻: - ページ: 13-18

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] A DYNAMIC PROGRAMMING ALGORITHM FOR OPTIMIZING BASEBALL STRATEGIES2019

    • 著者名/発表者名
      Akifumi Kira, Keisuke Inakawa and Toshiharu Fujita
    • 雑誌名

      日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌

      巻: 62 号: 2 ページ: 64-82

    • DOI

      10.15807/jorsj.62.64

    • NAID

      130007636494

    • ISSN
      0453-4514, 2188-8299
    • 年月日
      2019-04-25
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Automatic Travel Destination Recommendation System: Digitizing Destination Attributes and Matching Personal Preferences2022

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Inakawa,Yoshiaki Shimazaki,Christian Crowley
    • 学会等名
      Western Economic Association International 97th Annual Conference
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] eラーニングシステムにおけるテーラーメイド型カリキュラムの自動作成について2022

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介,岡崎弘信
    • 学会等名
      岡山e-learning研究会2022年度研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 施設削減における住民への影響と削減計画のロードマップ作成手法について&将来人口分布と施設の老朽化を考慮した最適配置問題について2021

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介
    • 学会等名
      南山大学OR研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 数理計画法による施設削減計画のロードマップ作成手法について2020

    • 著者名/発表者名
      渡辺鵬挙,稲川敬介,嶋崎善章
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会東北支部事業東北ORセミナー2020;若手研究交流会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 施設建て替えに伴う由利本荘市の消防署の再配置計画について2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤海玖,稲川敬介
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会東北支部事業東北ORセミナー2020;若手研究交流会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 消防施設の削減計画とアクセシビリティ分析について2020

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介
    • 学会等名
      日本経営数学会第42回全国研究大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 数理計画法を用いた公共施設の建替え計画について-由利本荘市消防署の事例-2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤海玖,稲川敬介
    • 学会等名
      第16回「地域の明日を考える」経営セミナー
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 施設削減における住民への影響と削減計画のロードマップ作成手法について2020

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介
    • 学会等名
      第16回「地域の明日を考える」経営セミナー
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 救急自動車システムにおける 適正配備の効果について2019

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会 「ヘルスケアのOR」第2回研究会(弘前大学医学部臨床講義棟 医学部臨床小講義室)
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Ambulance Location Problem for Nagoya2019

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介
    • 学会等名
      Nanzan University International Workshop on Urban Operations Research 2019(Room S72 in Building S Nanzan University)
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 数理計画法による避難計画の作成支援について2019

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会 2019年秋季研究発表会(東広島芸術文化ホールくらら)
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] Ambulance Location and Relocation Problem for Nagoya in Japan2019

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介
    • 学会等名
      INFORMS Annual Meeting(Washington State Convention Center TD46)
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] コーホート変化率法を用いた人口推計と小学校の閉校時期の予測2019

    • 著者名/発表者名
      中山大輔,稲川敬介
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会東北支部 東北ORセミナー;若手研究交流会(郡山市市民交流プラザ)
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 数理計画法による避難計画の作成と割り当て人口の年齢階層別表示について2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤海玖,稲川敬介
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会東北支部 東北ORセミナー;若手研究交流会(郡山市市民交流プラザ)
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 施設削減による利便性の変化と継続性を満たす施設削減計画について2019

    • 著者名/発表者名
      渡辺鵬挙,稲川敬介,嶋崎善章
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会東北支部 東北ORセミナー;若手研究交流会(郡山市市民交流プラザ)
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 施設の削減による利便性の変化と継続性を満たす削減計画について2019

    • 著者名/発表者名
      稲川敬介
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会東北支部 インフラのOR的展望研究部会(日本GIF研究財団会議室)
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [備考] ウェブページ

    • URL

      http://www.akita-pu.ac.jp/system/mse/mis/inakawa/public/index-j.html

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書 2019 実施状況報告書
  • [産業財産権] 教材学習スケジュール決定装置2021

    • 発明者名
      稲川敬介、岡崎弘信、木戸和彦、橋本信一、福田衣里
    • 権利者名
      稲川敬介、岡崎弘信、木戸和彦、橋本信一、福田衣里
    • 産業財産権種類
      特許
    • 出願年月日
      2021
    • 取得年月日
      2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi