研究課題/領域番号 |
19K04927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
世木 秀明 千葉工業大学, 情報科学部, 准教授 (60226636)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 公共放送 / 非常放送 / 聞き取りやすさ / 理解度 / 心的辞書 / 高齢者 / 放送文 / 帯域強調 / 了解度 / 音声知覚過程 / 加齢 / ワーキングメモリー |
研究開始時の研究の概要 |
公共空間では、平常時の明瞭な音声情報伝達はもとより、非常時・災害時には、音声による警報・避難誘導情報の的確な伝達が重要である。 このような問題を解決するためのハードウエア面に関する検討は多くあるが、どのようなアナウンス音声やアナウンス方法が聞き取りやすく情報伝達に優れているのかなどのソフトウエア面に関する検討は非常に少ない。 本研究では、若年層や中高年層のみならず、聴覚能力に低下を伴い、音声知覚特性が若年者と異なっていると考えられる高齢者に対しても聞き取りやすく情報伝達に優れたアナウンス音声やアナウンス方法について加齢による音声知覚特性の変化を考慮に入れてソフトウエア面からの検討を行う。
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研究成果の概要 |
聞き取りやすく情報伝達に優れた放送方式についてソフトウエア面から検討を行い,以下のことが明らかになった. ①放送文には,文脈や聴取状況に応じたキーワード単語の使用が重要であり,②伝えたい情報を想起しやすい知識情報として事前に提示することが理解度向上に繋がり,聞き取りやすく感じさせることも可能である.また,③放送音声に加え,適切な文字やイラストなどの視覚情報の提示が放送文理解に役立つ.さらに,多くの高齢者や聴覚障害者では④背景雑音が放送文の聞き取りや理解に大きな影響を与えるが,⑤句読点部分のポーズ時間の適切な設定や⑥2kHz~4kHz帯域の強調が聞き取りやすさ改善に大きく貢献する.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
公共空間では,平常時の明瞭な音声情報伝達はもとより,災害などの非常時には的確な情報伝達が重要である.従来から聞き取りやすい公共放送を行うための音環境条件や拡声システムの特性・性能などに関するハードウエア面に関する多くの検討が行われているが,聞き取りやすいアナウンス方法などに関するソフトウエア面からの検討はほとんど無い. このような背景のもと,本研究では,若年健聴者だけでなく高齢者も含めた被験者を対象に聴取実験を行い,聞き取りやすく情報伝達に優れた公共放送や非常放送を行うためのソフトウエア面からの多くの知見を得ることができた.これらの知見は,学術的・社会的に大きな意義を持つと考える.
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