研究課題/領域番号 |
19K04934
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
脇田 由実 大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 教授 (10590359)
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研究分担者 |
中藤 良久 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10599955)
松田 千登勢 摂南大学, 看護学部, 教授 (70285328)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 高齢者会話特徴 / 会話理解度推定 / 応答発声 / ピッチ抽出 / オンライン会話データ / 衰え度察知システム / 日常会話解析 / 高齢者会話特性 / 基本周波数の時間変化 / トピックシフト特性 / 理解力衰え推定 / 目標会話識別 / 応答時の非言語情報 / 時間変化成分 / 目標音声識別 / パワー時間変化分布 / 応答しぐさ / 衰え推定 / 非言語情報 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者交通事故の原因は「運転操作不適」であり、高齢者に「衰え」の自覚がなく自らを過信している問題が指摘されている。日常生活の中でさりげなく衰えを察知し本人に警鐘を促すシステムを実現し、事故を未然に防ぎたい。我々は、独自の高齢者日常会話データから、会話の基本周波数の分布が、会話を聞いた人が老化に気付くしくみと関連が深いこと発見し、衰え察知モデルを示した。しかし本データは衰えの経時変化を含んでいないため、提案モデルは、高齢者らしさは判断できても「加齢による衰え」を察知できるかは明確ではない。本研究では、施設にて高齢者の会話を長期に観察することで提案モデルを改良し、衰え察知モデルを確立する。
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研究実績の概要 |
1.昨年度(2021年度)までに提案している、応答発声のピッチとパワーの時間変化度合を用いた加齢による衰え推定法においては、応答発声を用いる妥当性評価の不十分さが課題であった。コロナ禍で高齢者会話にての実評価が困難であったため、頻繁に応答発声が起こるオンライン授業会話(約12時間分)にて評価を行い、80.6%の推定精度を確認した。国際学会にて発表1件(Estimation of online lecture quality using fundamental frequency characteristics extracted from student utterance, HCII2022)
2.ピッチ抽出手法の改良:複数のピッチ値候補をビタビアルゴリズムで絞り込む機能をピッチ抽出法に導入し、日常会話音声のピッチ抽出率を改良した。本ピッチ抽出プロセスにて会話特徴評価を行った結果を、国際学会にて発表予定(Misrecognized utterance identification in support systems for everyday human-to-human conversations,HCII2023投稿済,2023年7月発表予定)
3.高齢者によるオンライン会話データの収録:コロナ禍のため対面での会話収録が難しかったので、協力頂けるサービス付き高齢者住宅施設2カ所にて、6名の高齢者による6会話を収録。高齢者発声の特徴量を音響特徴量のみでなく言語特徴量も併せて分析し、国際学会にて成果発表1件(Age estimation function using end-of sentence expression for conversation support system based on associative words board,DCAI2022)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・課題であったピッチ抽出率については、改良することで安定したピッチ抽出が可能となったこと、応答発声を用いることの妥当性を、多量のデータで確認できたこと、コロナ禍で対面会話での評価が困難であるため、目標をオンライン会話に切り替え、サービス付き高齢者住宅の方々の協力により、目標となる高齢者の会話音声を収録し、評価に使用できたこと、などが理由である。 ・但し、オンライン会話は、応答発声の発声タイミングが対面会話よりとりにくく、相手の会話と重なってしまう会話が多いことなど、これまでの対面会話にないオンライン会話特有の課題もある。これらを加味した評価が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
・収録した目標となる高齢者のオンライン会話における新たな課題(重なり発声の多発など)に対応し、提案した加齢による衰え推定手法の評価を行う。 ・さらに衰え推定精度を向上するために、音声認識機能を導入して、高齢者の言語特徴を推定パラメータに追加するなどの検討を始めている。評価をまとめると同時に課題を整理し、今後のテーマ活動に繋げたい。
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