研究課題/領域番号 |
19K04935
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
早坂 昇 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 教授 (50554573)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 悲鳴検出 / 悲鳴強調 / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,深層学習を利用することで実環境でも十分に利用可能な悲鳴検出システムを構築する.これまでの悲鳴検出システムは,雑音に弱く,ブレーキ音などの悲鳴と類似する音で誤検出していた.これらの問題に対し,近年注目を集めている深層学習を導入することで解決を図る.また,小型PCやモバイル端末上で動作するソフトウェアを開発することで,広く一般に普及させ,犯罪の防止・抑止を目指す.
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研究実績の概要 |
2021年度まで,【課題1】の「劣悪な環境下における高い検出性能の達成」および【課題3】の「小型PCやモバイル端末への実装」に向けた演算量の削減に取り組み,一定の成果を達成することができた.しかしながら,【課題2】である「悲鳴とその類似音との識別精度向上」については十分な成果を上げることができていない状況であった. まず,【課題3】の実装状況については,Raspberry Pi 4 model Bへの実装が完了し,実時間でWave-U-Netを用いた悲鳴強調が可能であることを確認した. 次に,【課題2】の悲鳴と類似音の識別精度向上については,2-stage Wave-U-Netについて検討した.これまでは雑音と悲鳴を分離するための深層ネットワーク(Wave-U-Net)を学習させ,当該ネットワークを利用し雑音重畳悲鳴から悲鳴のみを分離していたが,類似音は悲鳴と見なされ十分に分離することができていなかった.そこで,分離された悲鳴と類似音を分離するための深層ネットワーク(2-stage Wave-U-Net)を新たに学習させた.当該ネットワークに対し様々な類似音によるシミュレーションを実施したところ,平均-14dB程度となり高い類似音除去効果が得られた.一方,実運用した場合を考えると,類似音が常に混入するとは限らないため,同ネットワークに類似音が重畳されていない悲鳴を入力し,劣化の程度を測定した.その結果,約0.5dB程度の劣化に抑えられていることが確認され,2-stage Wave-U-Netの有効性が明らかとなった. 2-stage Wave-U-Netの小型PCやモバイル端末への実装が未完了の状態であり,次年度の早期に実装し,実運用する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
小型PCへの実装に関して,雑音および類似音を分離するネットワークの演算量削減に時間を要しており進捗が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
小型PCへ実装するため2-stage Wave-U-Netの演算量削減に取り組む.具体的には,現在の性能を維持できる最小の層数を実験的に検討する.
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