研究課題/領域番号 |
19K04941
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
齋藤 喜康 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (10357064)
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研究分担者 |
小林 弘典 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 総括研究主幹 (30357016)
岡田 賢 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (80356683)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | リチウムイオン電池 / 熱暴走 / 非破壊分析 / X線回折測定 / 容量劣化 / 熱測定 / コンプトン散乱測定 / 昇温測定 / 中性子線回折測定 / 非破壊X線回折測定 |
研究開始時の研究の概要 |
リチウムイオン電池(LIB)はモバイル機器用に広く普及しているが、熱分解しやすい電極活物質や、可燃性の電解液が使用されているため、安全性確保が重要な課題となっている。しかしLIBの熱暴走の反応メカニズムについては、非破壊でLIB内の構成材料の熱分解等の反応を評価することが困難であることから、十分に理解されているとは言い難い。 本研究では、LIBを解体することなくそのままの状態で昇温、および過充電した時の、内部の電極活物質の結晶構造の変化を、放射光施設を透過性の高いX線を利用したX線回折(XRD)測定や、中性子線回折測定により解析し、熱暴走のメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
透過性の高い放射光施設(SPring-8)のX線回折装置を使用し、電池をそのまま試料として昇温しながら非破壊で内部の構成材料の結晶構造を評価することができるシステムを構築した。 このシステムを用いてリチウムイオン電池の測定を実施した結果、温度上昇に伴い、負極でリチウム放出、正極で活物質の熱分解が生じることが分かった。また、各反応の温度域を明らかにし、発熱量やガス発生量、電池の電圧変化との関連について考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リチウムイオン電池の構成材料の熱暴走反応の解明のために、従来は電池を解体して正極や負極を抽出し、材料ごとに評価が行われていたが、解体時の試料の変質や、正極と負極の相互作用について評価できないという課題があった。本研究では、電池を解体せずにそのまま試料として用いる評価法を確立し、この問題を解決した。 本手法を活用し、更に熱測定や発生ガス分析等と組み合わせて総合的な評価を行うことで、高温の電池内で生じる種々の反応のメカニズムが明らかになる。更には、電池の寿命や安全性の予測が可能になるとともに、長寿命化や高安全化のために方策検討にも貢献できる。
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