研究課題/領域番号 |
19K04947
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
米山 望 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90371492)
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研究分担者 |
平石 哲也 京都大学, 防災研究所, 教授 (20371750)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 津波 / 可動式防波堤 / 漂流物 / 砂移動 / 黒津波 / 地すべり / 三次元数値解析 / 津波漂流物 / 数値解析 |
研究開始時の研究の概要 |
津波が引き起こす被害のうち、津波による土砂の巻き上げによる被害や、津波漂流物による被害、海底や陸上での地すべり土塊による津波発生など、土砂や(漂流物や地すべり土塊などの)物体と津波が連動して引き起こす被害の予測手法は、まだ確立されていない。本研究ではまず、津波によって土砂や物体が移動する現象、地すべり土塊が津波を発生させる現象のメカニズムを水理実験により把握し、それらを表現できる三次元解析モデルを開発・整備する。その上で、波源域から沿岸域までの津波挙動を予測評価できる既開発の津波複合災害シミュレータに組み込んで具体的な地点に適用し、土砂や物体と津波の連動による津波被害の被害低減対策を提案する。
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研究実績の概要 |
1)土砂移動に関する検討:津波が砂丘などの土砂を移動させながら防潮堤等に襲来する現象を対象としたモデルを構築している.今年度は,これまで検討してきた,砂丘を乗り越えて押し寄せる津波が防潮堤に及ぼす波力の予測に関する研究成果を査読付き論文集に投稿し掲載された.この論文では,砂丘の粒径の大小が波力に与える影響が小さいことを明らかにした. 2)物体移動に関する検討:津波に伴って移動する物体などが防潮堤に及ぼす衝突力を予測できるモデルを構築している.今年度も引き続き,移動物体として流起式可動防波堤の扉体を対象とした.流起式可動防波堤とは,津波等の強い流れが発生すると自動的に起き上がり防波堤の役割を果たすものである.今年度は水理実験結果と比較することにより,開発中のモデルにより可動式防波堤の挙動を適切に再現できることを確認した.今後は,実地形での挙動解析が課題となる. また,津波で移動する漂流物が防潮堤に衝突する挙動について開発したモデルによる三次元解析をおこない,実験において確認された津波来襲前の漂流物存在位置によって衝突の有無が異なる現象を数値解析によって再現した. 3)黒津波に関する検討:海底の土砂などを巻き込むことにより密度を増した黒津波と呼ばれる津波の挙動に関する研究を実施している.黒津波は,土砂などの影響を受け海水より高い密度を持つが,防潮堤等に作用した場合,その密度上昇割合以上の割合で津波波力が増大することが懸念されており,そのメカニズムの解明が必要となっている.今年度は,密度増加と波力増加の関係について基礎的な検討を行い,その成果を研究講演会で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.津波漂流物の挙動に関して研究成果を取りまとめ,査読付き論文に投稿したこと. 2.土砂移動に関連して査読付き論文を投稿し掲載されたこと.
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今後の研究の推進方策 |
本研究の課題の中でこれまで査読付き論文に投稿していない,「流起式可動防波堤の挙動解析」に関する研究,及び「黒津波の挙動予測」に関する研究について追加の検討を加えた上で研究成果を取りまとめ,論文投稿する.また,「土砂移動の挙動予測」について英文ジャーナルに投稿する.
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