研究課題/領域番号 |
19K04960
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
勝島 隆史 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00611922)
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研究分担者 |
安達 聖 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 雪氷防災研究部門, 特別研究員 (80719146)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | MRI / 選択流 / フィンガー流 / 積雪モデル / 浸透計算 / Invasion percolation |
研究開始時の研究の概要 |
融雪災害の発生予測やリスク評価において、気象データから積雪の内部構造や積雪底面からの流出を数値再現する積雪モデルは、有効な手法である。融雪や降雨の積雪内への浸透が発生した際には、選択的な水の流れ(選択流)の形成によって内部構造が複雑化するが、選択流のプロセスを取り扱わない既存の積雪モデルでは、内部構造や流出を正しく予測できない課題がある。 本研究では、独自開発した最新のMRIによる非破壊測定技術を用いて、選択流の形成と、それに伴う積雪の内部構造や変形の時間変化の関係を明らかにするとともに、積雪モデルでこれらを統合的に取り扱う新しい浸透計算スキームの開発を目的とする。
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研究成果の概要 |
融雪災害予測技術の高度化のために,降雨や融雪により積雪内部に生じる選択流の形成過程の解明とモデル化に取り組んだ.MRIによる非破壊測定技術を用いて,選択流の形成と発達,雪試料の変形の一連の様子を可視化した.積雪層内に鉛直方向に毛管力の差異が存在する場合には,差異が大きいほど,選択流が水平方向に広がる傾向があった.また,多孔質体中の流体が別の流体に置換する過程をモデル化したインベーションパーコレーションに基づいて,間隙スケールの浸透現象を直接計算する手法を開発した.MRIを用いた浸透実験により観察された選択流の形成や,選択流の広がりを,計算により概ね再現することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
積雪内部の浸透現象と,それによりもたらされる積雪の内部構造の急激な変化は,積雪研究の実解決問題の1つである.積雪内部の選択流の物理過程を解明し,選択流の可視化技術,シミュレーション技術を開発したことは,積雪内部の浸透現象の全体像を示す可能性のある成果であり,融雪期の積雪現象の理解を大きく前進させる.これらの成果は,これまで予測が困難であった春先の急激な融雪や積雪への降雨による湿雪雪崩,融雪洪水,地すべりなどの融雪災害の予測精度の向上に資するものと考える.
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