研究課題/領域番号 |
19K04964
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高木 泰士 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (40619847)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | グリーンインフラ / 簡易消波工 / 沿岸防災 / 木杭 / 漂砂 / 海岸保全 / 波力軽減 / 消波効果 / ローカル材料 / 海岸浸食 / 流体 / 水理実験 / ダムブレイク実験 / 護岸 / 木杭消波 / 簡易海岸保全 / 沿岸域 / 防災 / 適正技術 / SDGs / 海岸侵食 / 開発途上国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では開発途上国の海岸で経験的に使われている木杭を科学的・工学的な対象として取り上げる。木杭による対策は,砂浜を固定化しないため,自然な漂砂運動を阻害せず,海岸の動的均衡状態が維持されると期待する。水質面での環境負荷や生態系への影響も小さいと考えられ,またローカル材料を活用すれば,地域の産業育成にも貢献できる。安価に設置でき,施工も容易なため,効果が検証されるとともに,より合理的・効果的な設置方法が確立されれば,科学・工学と途上国の経験が融合した画期的な海岸保全工法につながる可能性がある。本研究を端緒とし,「環境調和型次世代木杭消波工」を創出し,その合理的な設計手法を提案したい。
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研究実績の概要 |
当該年度は新型コロナウイルスの蔓延に伴う制約のため,予定していた海外調査が実施できなかったが,小型造波水槽を利用した移動床実験を集中的に実施することができた。移動床実験は2種類の実験を行った。一つは水槽内に前浜勾配を模擬した固定スロープを配置し,岸側終端に掘り込み部を設け,その中に密度が1を少し超える程度の重さの動きやすいビーズを充填した。もう一つの実験は粒径2mm程度の砂を使い移動床スロープを形成した。どちらの実験もアクリル製の円柱を配置したケースと円柱を配置しないケースで,底質の移動にどのような変化が現れるか比較を行った。配置の有無にかかわらず,比較的大きな波を作用させれば底質は動くが,変化の特徴は配置の有無により有意に異なることを確認した。一方で,同じ造波条件・同じ杭間隔でも,実験を複数回を行うと,変動傾向は比較的似るものの,移動量は有意に異なる結果が生じうる。そのため地形変化の統計的な振る舞いが無視できないことがわかった。体積率で50%程度の杭間隔の場合,背後の漂砂運動を抑える効果は明瞭ではなく,杭がない場合と比べて地形変化のパターンが変化するという見方がより適当と考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は新型コロナウイルスの蔓延に伴う制約のため,予定していた海外調査が実施できなかった。一方で,論文発表については査読付き国際学術誌に1編の発表を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
木杭消波工の効果を多面的に調べるため,引き続き波浪透過率や波力低減機能,侵食軽減効果について実験的,解析的な研究を進めていきたい。
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