研究課題/領域番号 |
19K04971
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 神奈川歯科大学 (2020-2021) 愛知工科大学 (2019) |
研究代表者 |
板宮 朋基 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (60583896)
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研究分担者 |
小笠原 敏記 岩手大学, 理工学部, 教授 (60374865)
村上 智一 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 水・土砂防災研究部門, 主任研究員 (80420371)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 拡張現実 / 防災教育 / シミュレーション / 津波 / 浸水 / AR / 数値計算 / 水理模型実験 / アプリ / 物理法則 / 水理 / スマートフォン / 高潮 |
研究開始時の研究の概要 |
津波や洪水などの氾濫浸水災害の危険性を「自分のこと」として実感するために,AR(拡張現実)を活用した防災教育は有用である.近年の技術革新によってARの表現力は大幅に向上し,現実との違和感が少ないリアルなCG表現も可能であるが,物理法則的に正しくないフェイク表現は体験者に誤解を生じさせ,悪影響を及ぼす懸念もある.本研究では,相似則を満たした水理模型実験で得られる漂流物の移動や回転速度の実測データや,津波・高潮氾濫の数値計算で得られる高精度な氾濫浸水情報など,確かな物理法則に基づいたAR氾濫浸水災害教育システムの構築を行う.一般的なスマートフォンで稼働するアプリとして日常的な利用を可能にする.
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研究成果の概要 |
本研究では,相似則を満たした水理模型実験で得られる漂流物の移動や回転速度の実測データや津波・高潮氾濫の数値計算シミュレーションで得られる高精度な氾濫浸水情報など,確かな物理法則に基づいたAR氾濫浸水災害教育システムの構築を行った.一般的なスマートフォンやタブレット端末で稼働するアプリとして幅広く提供し,日常的な利用を可能にすることを実現した.本アプリの体験者が被災リスクを正確にイメージして危機感を実感でき,実際の避難行動につながったどうかを調査し,有用性と一般普及のための課題を明らかにできた.愛知県や東京都,神奈川県の複数の小学校・中学校・高校で実証活動を行い,高い評価を得られた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東日本大震災から10年以上経過し,震災を知らない児童・生徒たちが増えている現実に直面している中で,本研究の成果のAR浸水体験アプリの活用により,津波や洪水などの氾濫浸水災害の危険性を「自分のこと」として日常的に実感することを可能にした.アプリ体験者の年齢による教育効果の差や一般普及のための課題を明らかにできた. NHKの「水害から命を守るプロジェクト」に本アプリが採用され,全国の放送局で活用されるようになった.横浜市が制作した「横浜市避難ナビ」の防災AR機能にも採用され,アプリの一般配信が開始された.国連防災機関UNDRRの公式SNSでも紹介された.新たな防災教育ツールとしての分野を切り開けた.
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