研究課題/領域番号 |
19K04974
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
原 元司 松江工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (00259920)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 災害対応型自動販売機 / 位置情報利用型ルーティング / 学習オートマトン / LR-I強化法 / LPWA / 2状態ベイズ推定器 / 2状態ベイズ推定器 / 防災用自動販売機 / 位置情報利用ルーティング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,災害時の通信インフラ途絶に対応可能な災害対応型自動販売機システムの実用化を行う.具体的には,安価なバッテリーと無線LAN機能を有するコンピュータシステムを搭載し,同じ機能を有する自動販売機間で通信を中継するアドホックネットワークを構成する.このことで,通信インフラが途絶した際の緊急通信ネットワークを実現する. 本研究では,災害時に発生する自動販売機の故障やバッテリー切れに対応可能な位置情報利用ルーティング手法を開発し,最終的にシミュレーションはもちろん,バッテリー切れや故障を想定した模擬システムの上でその有効性を検証する.
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研究実績の概要 |
令和4年度においては,前年度に提案したα‐タイプ学習オートマトンを用いた位置情報利用型ルーティングα‐BGRについて行った性能評価に基づいて,局所的に2次元と3次元アルゴリズムを切り替える適応機能を実装した.具体的には,いったんすべての通信ノードで2次元アルゴリズムを使用し,運用時にリカバリー処理を発動した通信ノードとその周辺のみ3次元アルゴリズムを適用する方法を採用する.その上で,実装予定のLPWA通信方式や現実の飲料用自動販売機の設置密度などのパラメータを反映したシミュレーションを実施し,(1)平均パケット到達成功率,(2)平均通信時間,(3)平均パケット数などの指標において3次元アルゴリズムのみを用いたα-BGRとほぼ同等な性能を発揮できることを明らかにした.この結果,計算資源に限りがあるシングルボートコンピュータ上に位置情報利用型ルーティングを実装するにあたり,3次元アルゴリズムのみを用いたα-BGRよりもさらに省資源を達成した. 本研究では,本来災害対応型でない通常の飲料用自動販売機に安価なプラットホームを追加することで防災用自動販売機とすることを想定している.その実用化に向けた準備がほぼ完了したものと考える.新型コロナウイルスの影響で現在研究が遅延しているが,令和5年度の実証実験に向けた準備ができた. なお,令和4年度は得られた成果や関連研究で国内学会での1件,国際会議で2件,査読付き論文1件の発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度においては,LR-I強化法を有するα-タイプ学習オートマトンによる位置情報利用型ルーティングα‐BGRの改良を実施した.α‐BGRのさらなる省資源化が達成できたものと考える.シミュレーション実験では,防災型自動販売機に実装可能なLPWA(Low Power Wide Area)という通信方式を想定しており,研究のプラットホームとなる技術仕様を確定できた. 当初の計画では,令和4年度に実機での実装とその性能評価を行う予定であった.新型コロナウイルス感染症の影響により,学校教育での負担割合が増えてしまい,研究活動の遂行にも影響が出てしまっている.令和5年度中に実機での実証実験を実施したいと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の成果をもとに,LPWAモジュールを導入したシングルボードコンピュータにα‐BGRを核とした位置情報利用型ルーティング手法を実装する.その上で,地元の飲料自動販売機ベンダと連携を行い,飲料用自動販売機を防災型自動販売機と見なした通信実験を行う.その実験結果から性能評価を行い,パラメータチューニングを実施することで実用に適した位置情報利用型ルーティングの実用化を行う.さらに,成果を学会及び査読つき論文の形で発表する.
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