研究課題/領域番号 |
19K04984
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳本 有紀 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (20546866)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | トポロジカル絶縁体 / バルク絶縁体化 / 転位 |
研究開始時の研究の概要 |
トポロジカル絶縁体は、バルクはバンド絶縁体でありながら表面に特殊な金属状態が生じている物質である。2009年に、トポロジカル絶縁体中の転位においても、表面と同様な金属状態が生じ得ることが理論上報告されたが、未だ明確な実証はなされていない。トポロジカル絶縁体中転位の伝導状態は、キンクや非磁性不純物等の欠陥や原子配列に依らず頑強である。適当なバーガース・ベクトルを持ってさえいれば無散逸の電流が守られるという点で、従来の半導体中の転位状態とは大きく異なる新奇な転位状態である。本研究では、トポロジカル絶縁体中転位の伝導特性の定量評価により、無散逸な電流を運ぶ新奇量子細線の開拓を目指す。
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研究成果の概要 |
Bi-Sbトポロジカル絶縁体に金属状態発現条件を満たす転位を導入し、マイクロサンプルの電気伝導測定により顕著な伝導転位の効果を検出した。 また、Pb-(Bi,Sb)-Teトポロジカル絶縁体について、バルク絶縁性の高い結晶を用い、表面伝導の観測に成功した。表面状態の散乱機構についても明らかにした。金属状態発現条件を満たす転位を導入することにも成功した。 Pb-(Bi,Sb)-(Te,Se)トポロジカル絶縁体結晶については、Pb-(Bi,Sb)-Teを上回るバルク絶縁性は得られなかったが、局所的にバルク絶縁性の高い領域と低い領域が混在していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、トポロジカル絶縁体の転位に局在した金属状態について、実験により定量的に検証することに成功した。この成果はトポロジカル絶縁体の転位に関する基礎および応用研究の推進に寄与するものである。 また、トポロジカル絶縁体の転位に局在した金属状態を、より高温で検出・観測可能な候補材料の開拓を行った。この成果は、トポロジカル絶縁体の転位だけでなく、表面伝導・表面状態の研究の推進にも寄与するものであり、さらに応用の可能性を広げることにつながる。
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