研究課題/領域番号 |
19K04985
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
尾中 晋 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (40194576)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 結晶方位 / 転位組織 / 回転行列 / 対数角 / 塑性変形 / オイラー角 |
研究開始時の研究の概要 |
転位組織は結晶内での方位変化をもたらすが,従来の研究における方位変化の解析は,スカラー的な回転角度であるミスオリエンテーション角の評価に限られていることが多い.しかし,そのような評価のみでは,変形や回転のテンソル性を踏まえて結晶方位変化の要点を十分に議論することはできない.そこで本研究では,方位変化を示す回転行列の対数を取ることで得られる三つの独立な実数成分が,回転角の成分であり,材料中の結晶方位変化の本質的な考察を可能にする有用な特性角であることを示す.そして,対数角による方位回転の解析が結晶性材料の組織評価に極めて有効であることを実証する.
|
研究成果の概要 |
転位の配列により亜粒界が形成されると結晶粒内の方位は場所により変化するため,結晶方位の位置依存性は塑性変形によって形成される材料組織を考察する際の重要な因子となる.結晶方位変化を示す回転行列の対数は三つの独立な実数成分を持ち,それらの成分は対数角と呼ばれる.この対数角は基準軸回りの回転角の成分とみなせ,方位変化を解析するうえでの重要な特性角である.冷間圧延による銅双結晶中の方位変化,そして超微細結晶粒のアルミニウムの結晶粒における塑性変形による方位変化,これらについての実験結果の解析に対数角を応用してその有用性を示した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの方位変化の解析はスカラー的な回転角度であるミスオリエンテーション角の評価に限られていることが多く,回転の成分性は情報として活かされていない.回転角の基準軸周りの成分とみなせる対数角は,方位変化解析における重要な変数であり,材料の組織評価に極めて有効である.塑性変形に伴う材料中の方位変化の位置依存性の解析に対数角を応用し,その有用性を実証したことに本研究の学術的な意義がある.
|