研究課題/領域番号 |
19K04987
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
松下 正史 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (90432799)
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研究分担者 |
飯久保 智 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (40414594)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マグネシウム合金 / 高圧合成 / 構造解析 / マイクロストラクチャー / ヘテロ組織 / 階層組織 / LPSO / 高温高圧 / 第一原理計算 / 構造相転移 / アルミニウム合金 / 共晶 / 長周期超格子 / スフェルライト / 軽量構造材料 |
研究開始時の研究の概要 |
10 GPa、1273 Kから凝固されたMg85Zn6Y9合金の圧縮応力下での0.2%耐力は780 MPa、破断応力が1 GPa、破断時の圧縮歪みが6.5 %であることを発見した。この強度は我々が調べた限りバルクのMg合金としては最も高い。この高強度は、上記合金中で形成される“スフェルライト”と総称される球形の多結晶凝固組織に由来すると考えられる。本研究では同種高強度合金をさらに探索すると共に、スフェルライト構造と力学特性の関連を明らかにし、今後の材料設計に汎用可能な知見を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
Mg85Zn6Y9はLPSOの体積分率がほぼ100%の合金である。本合金は高圧高温下でα-MgとD03構造の二相構造へと相転移し、特異なスフェルライト型のマイクロストラクチャーを形成する。本組織は、α-MgのMatrixにD03構造のグレイン(~100nm)が析出したコア部と、柱状晶のセル部からなり、10/GPa/1273 Kと15GPa/1273Kで処理した試料で確認されたが、それ以下の圧力温度領域では形成されない。上記スフェルライト組織の形成に伴い強度、硬さ共に大きく上昇する。一方、二元系では、圧力によってラメラの微細化は進むものの、上記の集合組織の形成には至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
軽量構造材料の開発は、輸送機器の省エネルギー、カーボンニュートラルを促進する上で重要なテーマである。本研究は、実用金属中最も低い密度を持つマグネシウム(Mg)をベースとする合金の強度についての基礎研究である。100nmを下回る二相組織からなるコア部と、コア部から伸びる柱状晶かなるセル部とで形成された階層型へテロ構造組織を有するMg合金を高圧合成で作製したところ、その強度はマグネシウム合金として極めて高いものとなった。この高強度は上記の階層的ヘテロ組織に由来する。これら強さを生み出す組織の探索は高強度材料探索ための手掛かりになると考えている。
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