研究課題/領域番号 |
19K04992
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (2020-2021) 国立研究開発法人物質・材料研究機構 (2019) |
研究代表者 |
柴崎 裕樹 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別助教 (10730830)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 金属ガラス / 高温高圧 / 局所構造 |
研究開始時の研究の概要 |
金属ガラスとは、文字通り、ランダム原子配列構造を有する非晶質金属のことである。その特異な非晶質構造なため、通常の結晶金属と比べ、高強度、軟磁性、高耐食性など優れた機械的・磁気的特性を持つ。最近、申請者らの研究によって、高圧下で熱処理を行うことで特異な構造変化が起こり、さらに超高密度化も起こることが見いだされた。 本研究では、高圧熱処理によって合成された高密度金属ガラスの機械的特性を評価し、さらに、放射光X線と中性子線、数値モデリングを組み合わせた局所構造測定によって高密度化の原子レベルでの可視化を行う。これによって高圧熱処理の有効性の評価とメカニズムの解明を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、高圧力下での金属ガラスの熱処理について研究を行った。Zr50Cu40Al10金属ガラスに関して高温高圧下でX線回折測定を行ったところ、5.5万気圧での熱処理では、約800Kにおいて構造変化が確認され、さらに高温で加熱したところ、約870Kにて部分ナノ結晶化が確認された。約800Kでの構造変化は、Zr原子とCu原子がより化学的に均質に分布することで引き起こされ、約870Kでの部分ナノ結晶化はCu原子に富んだ結晶相が晶出することで引き起こされていた。また、部分ナノ結晶化による硬度、強度、塑性変形能の向上が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属ガラスは、結晶金属にはない優れた機械的・磁気的特性を有する実用金属材料である。この金属ガラスを高圧熱処理することで、機械的性能が向上することが今回明らかになった。希少金属を添加することで部分ナノ結晶化を誘発し、機械的性能が向上することは、これまでにも分かっていたが、高圧熱処理が同様の効果をもたらし、より効果的に性能を向上させることが本研究によって明らかになった。これにより、希少金属に頼らない、新たな性能向上のプロセス確立が期待される。
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