研究課題/領域番号 |
19K04996
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
菅原 透 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (40420492)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ケイ酸塩メルト / ガラス / マグマ / ガラス固化体 / ホウケイ酸塩ガラス / 熱容量測定 / 熱力学データベース / ガラス融液 / 熱容量 / CALPHAD / 耐水性試験 / ガラス形成能 / 酸化物融体 / 熱力学 / 結晶化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はCALPHAD法で最適化された多成分系珪酸塩融体のギブスエネルギー(G(融体))をガラス形成能やガラスの化学的耐久性の評価に応用できるようにすることを目的とし,次の3つの研究を実施する. 研究 (a) SiO2-B2O3-Na2系で熱量測定を行い,先行研究の測定結果と合わせて解析し,融体とガラスの熱容量を温度と組成の関数として定式化する. 研究(b) G(融体)を上記(a)の結果から過冷却融体のギブスエネルギーを求め,ガラス形成能との関係を考察する. 研究(c) G(融体)を上記(a)の結果からガラスのギブスエネルギーを求め,ガラスの化学的耐久性(水への初期溶解速度)との関係を考察する.
|
研究成果の概要 |
相平衡解析により熱力学量を最適化するCALPHAD法の熱力学データベースの汎用的な応用可能性を検討した.ケイ酸塩メルトの熱力学量を用いて計算したガラスと水の間の平衡定数は耐水性試験による測定値とおおよそ一致し,熱力学データベースがガラスの化学的耐久性の予測に応用できることが分かった.ただし,ガラス形成能についてはAl2O3を含む系では実際とは整合しない部分があり,熱力学量を再検討する必要があると思われる.また,今後のデータベース拡張のための基礎データとしてSiO2-B2O3-Na2O系の熱容量を測定し,その温度・組成依存性を明らかにした.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
火山のマグマ,鉄鋼製錬のスラグやガラス融体はいずれもSiO2を主成分とする酸化物融体であり,その熱力学的性質は地球科学から材料工学に渡り幅広く応用できる可能性を持っている.近年,相平衡データに基づくCALPHAD法の解析が進展し,多成分系ケイ酸塩メルトの熱力学量が定式化されるようになった.本研究は熱力学データベースの汎用的な応用の可能性を検討し,現段階ではガラスの化学的耐久性とAl2O3を含まないメルトのガラス形成能の評価に適用することができることを見出した.熱力学データベースは高温プロセス産業のさまざまな工程に関わる予測精度を向上させることができる可能性があることが示された.
|