研究課題/領域番号 |
19K04997
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
北浦 守 山形大学, 理学部, 教授 (60300571)
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研究分担者 |
鎌田 圭 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (60639649)
石崎 学 山形大学, 理学部, 講師 (60610334)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | シンチレータ / 陽電子消滅分光 / 原子空孔 / 長寿命発光 / 格子欠陥 / 共賦活効果 / 陽電子消滅 / 結晶成長 / 結晶欠陥 / 超短パルスガンマ線 / シンチレーター / 陽電子消滅寿命分光 / LCSガンマ線 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線検出用のシンチレーであるCe:GAGG 結晶において寿命の長い遅延発光成分を抑えることが最重要課題となっている。応募者は先行研究からカチオン原子空孔が遅延発光成分を生じさせる主要因であるとの仮説にたどり着いた。この仮説を立証すれば、遅延発光成分を抑制する具体的な手がかりが得られる。本研究では、レーザーコンプトン散乱による超短パルスガンマ線を用いた陽電子消滅寿命スペクトルの測定によってカチオン原子空孔の存在を決定づける直接的な証拠を得る。また、共賦活によって遅延発光成分が弱められる現象の原因究明を通してCe:GAGG結晶の高品質化を実現する最適な解を現実的な方法の中から見出す。
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研究成果の概要 |
本研究では、超短パルスガンマ線を使った陽電子消滅寿命分光によってCe:GAGGシンチレータの特性低下の原因であるカチオン原子空孔と酸素空孔の欠陥対が存在することを見出した。カチオン原子空孔の電荷補償体としてアンチサイト欠陥と原子空孔からなる複合欠陥が導入され、シンチレータに無用な長寿命発光を生じさせることを明らかした。複合欠陥を抑制するためには共賦活の手法が有効であり、実際にマグネシウムを共賦活するとカチオン原子空孔は著しく減らされ、長寿命発光や電子捕獲中心も抑制された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、放射線の有効かつ安全安心な利用が求められており、そのためには放射線検出器の心臓部であるシンチレータの開発が必要不可欠である。本研究の成果は、(1) 広く利用されているCe:GAGGシンチレータの高性能化を実現するには結晶育成時に導入される原子空孔を抑制する必要があること、(2) そのためには不純物の共賦活が有効であること、を発見したことである。超短パルスガンマ線を用いた陽電子消滅寿命分光(GiPALS)によって初めて達成できた成果であり、GiPALSは良質のシンチレータを得るために最良の分析評価方法となりうる。
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