研究課題/領域番号 |
19K04999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桂 ゆかり (岡本 ゆかり / 桂ゆかり) 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任助教 (00553760)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 熱電材料 / 材料インフォマティクス / データ科学 / データベース / 第一原理計算 / 実験データ / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、異なる格子定数の物質同士や固溶体同士でもバンド構造が比較できる新規電子構造データベースと、数万個の熱電材料試料の熱電特性の実験データを収録した熱電特性データベースを開発する。後者のデータベースとしては、これまで本研究者らが開発してきたStarrydataウェブシステムを出発点として、クラウドソーシングによるデータの大規模な拡充を行う。これら2つのデータベースを合わせた解析と機械学習により、熱電材料の電子構造と電子散乱頻度、熱電特性の関係を解明し、この結果に基づいて有望な新規熱電材料の候補を見つけ出す。このうち特に有望なものについて、実験による新規熱電材料開発を行う。
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研究成果の概要 |
7800論文以上から集めた38000試料以上のデータを含む、世界最大規模の熱電材料の実験値のデータセットのInverse Jonkerプロット解析を行い、熱電特性の材料系依存性を可視化した。熱電特性の1変数関数表示により、最大ZTやパワーファクターを少ないデータから予測する技術を開発した。ボルツマン輸送方程式に基づく熱電特性の第一原理計算結果と合わせた解析により、これまでの第一原理計算に基づく熱電特性予測を大幅に改善できる電子緩和時間補正の理論を構築した。また、大規模実験データ解析技術として、化学組成からの自動材料系判定プログラムと、 タグツリーに基づく柔軟なデータ整理技術の開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで高性能な新規熱電材料の探索は難しかった。候補物質が多い上に、相互に絡みあう多数のパラメータに支配されているために母物質依存性と試料依存性が分離されずに研究されており、本質的な特性改善指針を見出すことが難しいためである。そこで本研究では、本研究者らが開発したStarrydata webシステムで、過去に出版された論文から熱電特性の温度依存性の実験データを大規模収集に取り組んでおり、本研究においてデータの大幅な追加を行った。第一原理計算と実験値Materials informatic(MI)を組み合わせて、母物質の選定から不純物元素とそのドープ量の選択、合成条件の最適化までを効率化できた。
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