研究課題/領域番号 |
19K05005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
上田 太郎 長崎大学, 工学研究科, 助教 (10524928)
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研究分担者 |
清水 康博 長崎大学, 工学研究科, 教授 (20150518)
兵頭 健生 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (70295096)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ガスセンサ / 固体電解質 / 混成電位 / 揮発性有機化合物 / VOCs / スピンコーティング / 安定化ジルコニア / 酸化セリウム / トルエン / インピーダンス / 3相界面 / メチルメルカプタン / YSZ / 生体ガス / CeO2 |
研究開始時の研究の概要 |
呼気中に含まれる疾病由来成分(揮発性有機化合物(VOC類))を検知できる高感度ガスセンサを開発する。酸化セリウム(CeO2)を添加したAuを検知極として用いた固体電解質センサが,肺がんや歯周病の原因ガスである極低濃度のトルエンやメチルメルカプタンに比較的良好な応答を示すことを明らかにしている。そこで,Au系検知極へのイオン導電性の付与や検知極構造を最適化することによりさらに高感度化する。また,特性向上に寄与する因子を明らかにすることで応答メカニズムの解明と生体ガスを高感度に検出できる検知極設計指針を確立する。
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研究成果の概要 |
イットリア安定化ジルコニア(YSZ)上にスピンコート法を用いて酸化セリウム(CeO2)を添加したAu検知極を取り付けた固体電解質型センサのトルエン応答特性を評価した。電極反応場はYSZ上の界面であること,検知極表面からこの界面にガスが拡散する過程でトルエンの一部は分解することを考慮すると,検知極は薄膜ほど大きな応答を示すと考えられた。CeO2添加量が小さい場合(8 wt%) は,検知極が薄いほど大きなトルエン応答を示したが,添加量が大きい場合(24 wt%)は,厚いほどトルエン応答が向上し,低濃度のトルエン(0.5 ppm)を高感度に検知(142 mV)できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
揮発性有機化合物(VOCs)は建材や塗料,接着剤などに含まれており,人体に有害であることが知られている。また,生体ガス中にも微量のVOCsが含まれており,これらの濃度が健康状態によって変化することも報告されている。本研究では,スピンコート法により電子(Au)と酸素イオン(CeO2)を共に伝導可能な検知極を作製し,電極反応場である3相界面(Au/CeO2/ガス)を立体的に形成した場合に,研究開始前の予想とは異なり,検知極膜厚の増加に伴いトルエン応答値が向上する結果を得た。生体ガスに含まれる極低濃度(ppbレベル)のVOCsを高感度に検知可能とするための有益な知見が得られた。
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