研究課題/領域番号 |
19K05017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
北村 尚斗 東京理科大学, 理工学部先端化学科, 准教授 (10453812)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | リチウムイオン電池 / 正極材料 / 原子配列 / 中性子全散乱 / X線全散乱 / 不規則岩塩 / 2体分布関数 / 逆モンテカルロ法 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、リチウムイオン電池の用途が多様化しつつあり、電極材料の高エネルギー密度化が求められている。このような背景から、不規則岩塩型構造を有するリチウム過剰遷移金属酸化物が注目されており、その充放電機構の解明と解析結果に基づく材料設計が期待されている。しかし、この材料系では不規則な原子配列に局所秩序が潜在しているため、新規材料の設計が困難である。 そこで本研究では、2体分布関数を用いた逆モンテカルロモデリングにより、原子配列をナノスケールで可視化し、局所秩序に関する情報を取得する。これにより不規則岩塩型正極材料の組成と合成法の最適化を行い、高エネルギー密度を有する正極材料の開発を試みる。
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研究成果の概要 |
リチウムイオン電池の正極材料として、本研究では高放電容量を示す不規則岩塩型構造のリチウム過剰遷移金属酸化物に注目し、全散乱データを用いた逆モンテカルロモデリングにより、正極材料における原子配列の局所秩序を検討した。その結果、リチウムと遷移金属が局所的なクラスターを形成しており、その局所構造は遷移金属の種類に依存することが明らかになった。このような構造の変化が正極特性に影響を及ぼすと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
次世代のリチウムイオン電池用正極材料として注目されている不規則岩塩型正極材料には、その原子配列(局所構造)に不明な点が多く残されていた。本研究ではその原子配列を可視化する新たな解析方法を確立し、複数の正極材料について系統的な解析を実施したため、学術的意義がある。また、低炭素社会の実現に向けてリチウムイオン電池の用途が拡大しているという社会的背景を考慮すると、得られる成果が持つ波及効果は大きい。
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