研究課題/領域番号 |
19K05024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
桑原 正史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, センシングシステム研究センター, 上級主任研究員 (60356954)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 二酸化バナジウム / 相変化材料 / 結晶転移温度 / 相転移 / 二酸化バナジウム(VO2) / Ge2Sb2Te5 / 体積収縮 / 応力印加 / 結晶転移温度制御 / VO2 / GST225 / GeSbTe / 応力 / カルコゲナイド / 酸化バナジウム / 相転移制御 |
研究開始時の研究の概要 |
VO2の実用化のため、現在の結晶転移温度(60℃)を生活温度以下にし、赤外遮断ガラス、電気メモリーなどといった応用に結びつける。結晶転移温度には、カルコゲナイドと呼ばれる相変化材料を用いて、その応力を利用してVO2の結晶転移温度を制御するものである。また、応用だけでなく検証転移の確認、そのメカニズムに対して研究を進める。具体的にはラマン散乱法やX線回折法によりVO2の点維持の結晶構造を観察し、応力の定量化や応力と転移の関係を明確にする。また、電気的にカルコゲナイドの相変化を制御することにより、VO2の結晶転移温度制御をはかる。
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研究成果の概要 |
本研究では、VO2の結晶転移温度を相変化材料の相転移で制御することを図った。VO2は応力印加によって、その結晶転移温度が変化することが知られている。一方、相変化材料は相転移(アモルファスから結晶へ)する際、その体積が7%程度収縮することがわかっている。相変化材料の体積収縮により、VO2に応力を印加し、制御しようとする試みである。VO2と代表的な相変化材料であるGe2Sb2Te5(GST)を用いて、GSTの2つの状態アモルファスと結晶)で、光反射強度や電気抵抗の温度依存性を測定した結果、GSTの収縮に対して、VO2の結晶転移温度が低下することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
VO2の結晶転移温度(Vt)は、67℃であり、この変化は揮発性である。VO2を調光窓に応用した場合、67℃という温度では、人の生活温度に比べ高すぎる。また揮発性は、電気メモリーに応用した場合、デバイスを67℃以上に保持しないと、データが消去されてしまう。こういった短所を改良するため、添加物などでVt制御を試みる研究がされてきた。我々は、添加物などでなく、相変化材料の相変化に伴う体積収縮によってVO2に応力印加し、Vt制御が可能なのではと考え研究を進めた。VO2と相変化材料の複合化は、世界で初めての試みであり、実現すれば、赤外線を30-40℃で自動に遮断する窓材などに応用が可能となる。
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