研究課題/領域番号 |
19K05043
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 長岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
青柳 成俊 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (70231785)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 元素拡散 / 界面組織 / 焼結挙動 / 酸化処理 / 界面強度 / 反応相 / 界面 / 組織 / 強度 / 硬さ / 界面せん断強度 / 反応層 / 焼結接合 / チタン合金 / 生体医療用材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、チタンと異材の接合時に、脆弱な界面反応相を形成させることなく、かつ強固な界面強度を実現する生体用チタン/酸化物セラミックスの焼結接合方法の開発である。接合界面でのボイド生成も抑止する。具体的には、純チタンおよびTi6Al4V合金を基材として、その表面をレーザー照射により酸化チタン層を形成させてから酸化物セラミックス粉末を通電加圧焼結接合する。製造した焼結接合材の組織と硬さ、界面近傍の元素拡散状態、接合界面のせん断強度の結果から、チタン焼結接合での反応相生成の抑止方法の提案、界面組織制御によるボイドの抑制メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
純チタン/ジルコニア焼結接合前のチタン表面酸化が界面組織と強度に及ぼす効果を明らかにした。(1)800,900,1000℃では温度上昇とともに酸化被膜が結晶成長する。900℃ 1時間の酸化条件で純チタン表面はルチル酸化膜に覆われる。(2)焼結接合したジルコニアの表面硬さは純チタンの酸化条件に関係なく1600HV程度を示す。(3)900℃1時間で生成した酸化膜は、焼結接合中の元素拡散を抑制している。その結果、界面近傍でのボイドの生成を低減できる。(4)酸化処理が接合界面のせん断強度を向上させる。以上、900℃または1000℃での純チタン表面の酸化は、拡散反応層の生成を抑制し界面特性を向上させる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
チタンを主材とした生体医療用金属材料は多くの整形外科や歯科分野での利用実績がある。脊椎固定用スクリューやプレートの外科的包埋時には、適度な変形能が必要であるため延性バランスも重要な因子となる。一方、ジョイント部分にチタン合金を適用する場合には、チタン表面を改質して優れた耐摩耗性を付与しなければならない。学術的意義は、チタン表面に酸化物セラミックスを焼結接合する方法の考案で、本方法は焼結接合中の界面での元素拡散を抑制し界面近傍でのボイド生成を低減させる。本焼結方法は生体医療用材料として広範に使用できるだけでなく、航空宇宙や海洋構造物等の腐食環境下におかれる要素部材としても応用できる可能性がある。
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