研究課題/領域番号 |
19K05045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 久留米工業高等専門学校 |
研究代表者 |
森園 靖浩 久留米工業高等専門学校, 材料システム工学科, 教授 (70274694)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 純鉄 / 鉄粉 / グラファイト粉 / 熱処理 / 炭素拡散 / 鉄鋼材料 / アルミナ粉 / 浸炭 / グラファイト / 拡散 |
研究開始時の研究の概要 |
鋼片をグラファイトなどの炭素粉に埋め込み,大気中で1000℃付近に加熱・保持すれば,鋼表面には酸化皮膜が形成され,炭素粉に起因した鋼中への炭素拡散は見られない。しかしながら,炭素粉に鉄粉を加えた粉末を使って同様に処理した場合には浸炭現象が発現する。大気中での加熱であっても,鉄粉と炭素粉を混ぜた粉末を使用するだけで,その中に埋め込んだ鋼片に対して酸化抑制と炭素拡散が実現するという事実は,これまでに報告されていない,新規の現象である。本研究は,この現象が起こる原因を明かにするとともに,鋼に対する新しい浸炭技術としての確立を目指す。
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研究成果の概要 |
鉄粉とグラファイト粉から成る混合粉の中に純鉄板を埋め込み,大気中で1073-1273 Kの温度域に加熱した。熱処理後の純鉄板は金属光沢が保たれ,その中にはパーライト組織が観察された。これは,グラファイト粉に起因した炭素が純鉄へ拡散したことを意味する。鉄粉が含まれない場合にはこのような現象は起こらず,純鉄の表面には酸化皮膜が形成された。なお,このような浸炭現象の発現には鉄粉の形状や炭素含有量よりも粒径の影響が最も大きいと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鋼の浸炭は,その表面から炭素を拡散浸透させた後,焼入れ・焼戻しを行うことで表面部を硬化させる技術であり,耐摩耗性や耐疲労性の向上が求められる歯車などの機械部品によく適用される。工業的には,高炭素含有の浸炭用ガスの中で加熱・保持する「ガス浸炭」が主流となっている。我々の研究グループは,この浸炭が鉄粉とグラファイト粉を混ぜた粉末を使えば,大気中で加熱するだけで容易に達成できることを見出した。本研究課題では,新しい浸炭技術としての利用を目指して,その詳細を調査した。
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