研究課題/領域番号 |
19K05054
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
寺田 芳弘 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (40250485)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | マグネシウム合金 / 高温強度 / ラメラ組織 / 高分解能電子顕微鏡 / 転位 / 異相界面 |
研究開始時の研究の概要 |
金属組織をナノラメラ状に制御し,異相界面強化という新規材料強化機構を最大限に利用することにより,高温強度が極めて高い高効率熱機関用の難燃性超軽量高強度耐熱マグネシウム合金を開発することが,本研究の最終目標である。『異相界面強化』は,極めて高い温度においてもナノラメラ組織が安定に維持されるため,高温材料強化機構として有望であると推定される。合金開発にあたり,(Ⅰ)高温変形特性調査,(Ⅱ)転位モビリティ解析,(Ⅲ)組織安定性評価という三つの独立した個別研究課題について,相互関係を持たせながらスパイラルアップ(図3)することにより計画を進める。
|
研究成果の概要 |
難燃性の超軽量高強度耐熱マグネシウムを,新規な高温材料強化機構を利用することにより開発した。層間隔が900 nmと微細なMg-Ca系ラメラ合金を創成し,高温構造用材料としての使用にあたり必要となる学術的知見について調査を行った。開発合金中の微細ラメラ組織が,熱的に安定となる温度領域は573 K以下であり,これを超えると組織は粗大化する。微細ラメラ組織を有する本合金を473 Kにてクリープ試験すると,ラメラ層間隔が小さいほど最小クリープ速度が低くなる。異相界面は高温強度の向上に有効に作用し,クリープ強化因子とみなすことができる。本合金のクリープ変形は,転位の上昇運動に律速することが明確になった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の社会的意義として,エンジン周辺部の高温構造部材の軽量化を通じて,自動車の燃費向上を飛躍的に推進できることが挙げられる。また,学術的意義として,異相界面強化と称する新規な高温材料強化機構を世界で初めて提案し,実証したことが挙げられる。この新規な高温材料強化機構を最大限に発現できるよう,サブミクロンサイズの微細な層状組織に組織制御した点が独創的である。従来の高温構造材料とは全く新しい概念の金属組織を有する本開発合金について,基礎的な学術的知見として,組織安定性,界面構造,および,高温強度特性を明確化した。本研究において用いた研究手法は,今後,様々な合金系に適用できるものと期待される。
|