研究課題/領域番号 |
19K05055
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
上田 光敏 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (90376939)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 耐熱鋼 / 高温水蒸気酸化 / 添加元素 / 金属間化合物 / 析出強化相 / 耐熱鋼の高温水蒸気酸化 / 異相界面 / 相互拡散 |
研究開始時の研究の概要 |
耐熱鋼の耐水蒸気酸化特性を向上させるためには,Crなどの添加元素の拡散を促進させ,酸化の初期段階から表面に保護性酸化皮膜を形成させることが重要となる。この際,優れた高温強度を維持するために設計された母材の内部組織を変化させずに,耐水蒸気酸化特性を向上させる必要がある。本研究では,母材に分散する析出強化相に着目し,母相/析出強化相界面などの異相界面を活用して母材の耐水蒸気酸化特性を向上させる手法を確立する。また,耐熱鋼の水蒸気酸化挙動に及ぼす析出強化相の影響や母材の拡散現象に及ぼす異相界面の効果を明らかにし,耐水蒸気酸化特性を飛躍的に向上させる析出強化相の析出形態やその組織制御法を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究では,火力発電プラントなどの高温構造用材料として用いられている耐熱鋼の高温水蒸気酸化挙動に及ぼす添加元素ならびに析出強化相の影響を,耐熱鋼のモデル合金を用いて検討した。その結果,耐熱鋼の高温強度向上を意図して添加されているNbやWは,耐熱鋼の耐水蒸気酸化特性を向上させることが明らかとなった。また,これらの添加元素は,母材に固溶することで耐酸化特性を向上させるだけではなく,強化相として析出した場合でも耐酸化特性の向上に寄与することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって,耐熱鋼の高温強度向上を意図して添加されるNbやWなどの添加元素が,耐水蒸気酸化特性の向上に対して有効に働くことが明らかとなった。これまでに,表面の酸化に対してあまり考慮されてこなかった母材中の析出強化相が,母材の機械的特性のみならず耐環境特性の向上にも大きく貢献することが明らかとなった。本研究で得られた知見は,今後の耐熱鋼開発の指針に対して,大きな示唆を与えると考えられる。
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