研究課題/領域番号 |
19K05057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター (2020-2021) 山梨大学 (2019) |
研究代表者 |
柳田 さやか 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発本部マテリアル応用技術部材料技術グループ, 副主任研究員 (40579794)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 光触媒 / Z-スキーム / 六価クロム / 水質浄化 / 酸化チタン / 亜酸化銅 / 酸化タングステン / コアーシェル粒子 / 複合体 / コアシェル構造 / 金微粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
光触媒は光を受けると温和な条件で酸化・還元反応が進むことから環境浄化、水素発生、CO2の再資源化、有用な有機化合物の合成などへの利用が期待されている。近年では2種類の光触媒を組み合わせた全固体Zスキーム光触媒の作製が盛んに行われており、物質間への導電体(電子メディエイター)の導入が電子の移動を促進し、光触媒の自己分解を防ぐと報告されている。本研究では光触媒として極めて強い還元力を持ちながら、自己分解のためにこれまであまり利用されてこなかった亜酸化銅 (Cu2O) に着目し、Au微粒子上にこれを位置選択的に析出させることで導電体を介した確実な接合を持つ全固体Zスキームを作製し、その評価を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では還元力に優れる一方で酸化力が弱く、単味では利用の難しいCu2O光触媒を他の光触媒と金微粒子を介して複合化することで、還元反応に高い活性を示す光触媒を作製することを試みた。光電着法を用いてルチル型TiO2の粒子に半球状のAu@Cu2Oコア-シェル粒子を担持し、水中のCr(VI)の光触媒還元反応に利用したところ、Cu2Oはこの反応にほぼ活性を示さなかった一方、複合体はTiO2の2倍程度の速さでCr(VI)を除去した。反応後の光触媒を分析したところCr(III)を含む固体の化合物がCu2O上に選択的に析出していたことから、Cu2Oがこの反応での還元サイトであることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では光電着反応を使いCu2Oが金微粒子を介して他種の光触媒に接合した複合体を作製した。この手法では物質同士が確実に接触し、かつ分散して固定されるため複合化の効果が高まることが予想され、実際に水中のCr(VI)の光触媒還元ではCu2O-Au-TiO2複合体について同様の組成のボールミル混合サンプルと比べおよそ2倍の速さで反応が進行した。Cu2Oは光触媒として優れた還元力を持つ一方酸化力が弱く単味では利用しにくいが、このような複合化を行うことで優れた光触媒となることを示した。XAFSスペクトルからは反応中にCu2OがCuOに変化していることが示唆されたが、変化後も複合体は高い活性を保った。
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