研究課題/領域番号 |
19K05068
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
染川 英俊 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, グループリーダー (50391222)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 材料工学 / マグネシウム / 粒界すべり / 溶質元素 / 偏析 / 粒界構造 / 力学特性 / 高速超塑性 / 粒界偏析 / 変形機構 / 粒界塑性 |
研究開始時の研究の概要 |
マグネシウムの欠点である脆さと乏しい変形能を改善する室温粒界すべりは、粒界構造に極めて敏感である。これは、粒界すべりを補完する効果的な付随調整機構「補助」を結晶粒界に導入することによって、室温粒界すべりの更なる高速化の可能性を示唆している。本研究課題では、加工熱処理をともなう金属材料創製では回避できない『粒界偏析』に着目し、付随調整機構補助として活用する。特に、単一溶質元素ではなく、複数溶質元素の粒界偏析によって、粒界構造の再制御化と変形の補助化を図り、高速域を含めた幅広い変形速度(ひずみ速度)域にて延性能の付与を目指す。
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研究成果の概要 |
室温・高速高延性化の可能性を探索するため、多様な展伸加工法によって創製した粒界構造の異なる微細結晶粒三元系Mg合金を使用し、室温塑性変形応答と粒界構造因子の相関性について調査した。組織観察の結果、粒界構造は展伸加工法や添加元素によって制御できることを確認した。また、室温延性および主変形機構は、粒界に偏析する元素によって変化し、三元系合金の粒界偏析元素の役割は、二元系合金と類似することを究明した。一方、拡散速度が遅い室温変形であっても、巨大延性能を有するMg合金の破壊は、従来超塑性材と同じくキャビティの形成、成長に由来することを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Mg合金の脆さと乏しい変形能/加工能の改善に関する昨今の主要な取組は、集合組織制御や合金化であり、転位すべり運動制御に基づくものである。本研究では、塑性変形機構に着目し、室温粒界すべりを活性化することで高速・高延性化を図り、Mg固有の問題解決となりうる新規手法を明示した。粒界すべりは、高温下で生じる超塑性で認知されるが、粒界構造を制御した微細結晶粒Mg合金で発現する室温粒界すべり挙動やその破壊様相は、高温下で観察できる従来超塑性材と類似することを特徴とする。
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