研究課題/領域番号 |
19K05070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
井川 直樹 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (60354833)
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研究分担者 |
樹神 克明 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (10313115)
飯久保 智 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (40414594)
田口 富嗣 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 東海量子ビーム応用研究センター, 上席研究員 (50354832)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 局所乱れ / 燃料電池材料 / 中性子回折 / 結晶構造 / 燃料電池 / 局所構造解析 / 中性子回折法 / 第一原理計算 / 水素 |
研究開始時の研究の概要 |
燃料電池の性能向上のためには、電池を構成するイオン伝導性材料のより一層の高度化が重要となる。そのために重要なキーとなるのが、材料の構造変化や伝導イオン挙動の解明である。イオン伝導度といった機能性は、結晶構造と強い関係を持つ。また、水素イオン導入による局所的な構造の乱れの変化などは依然不明である。本研究では、これらを解決するため、X 線や中性子線等の量子ビームを利用した散乱法を用いて材料の平均構造や局所的な乱れを解析する。また、計算機シミュレーションを組合せて解析することで、各々の単独の手法ではなし得ない、燃料電池材料中の局所構造の乱れと水素の存在位置や伝導挙動の相関の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
燃料電池材料用固体電解質について、量子ビーム散乱を利用した回折法及び原子対相関関数解析法並びに第一原理計算シミュレーションを組み合わせて平均構造や局所構造を解析した。その結果、水素原子を酸素原子の近くに配置した場合において,よりエネルギーが低く安定な構造をとることが分かった。また、同じ結晶サイトを占有する3価カチオン-酸素間距離と4価カチオン-酸素間距離は等しくなるはずだが、実際には3価カチオン-酸素間距離の方が4価カチオン-酸素間距離よりも長いことが分かり、結晶構造に局所的な乱れが発生していることが明らかになるなど、本研究手法によって水素の結晶位置や結晶乱れを解析することが可能になった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子ビーム散乱とリートベルト解析/最大エントロピー法解析を組み合わせることで得られる結晶構造や中性子が有する水素探知能力を生かした結晶原子対相関関数解析法と第一原理計算シミュレーションから得られる局所構造情報を相互にフィードバックしながら、総合的に評価することにより、燃料電池材料の水素イオン伝導に係る重要なファクターである、局所的な結晶構造の乱れと水素の位置を明らかにしたことは、燃料電池材料中のイオン伝導と結晶乱れの関係を解明する上での貴重な一歩と言える。本手法を通して、今後の燃料電池材料の性能向上を目指した材料設計に大きな貢献をもたらすものと期待できる。
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