研究課題/領域番号 |
19K05072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
佐野 泰三 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 総括研究主幹 (30357165)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 光触媒 / 水素発生 / 窒化炭素 / 有機分子触媒 / フッ素樹脂 / ホウ素ドープ / Zスキーム型 / 分子触媒 / 可視光 |
研究開始時の研究の概要 |
グラファイト状窒化炭素(g-C3N4)は金属フリーの機能性物質として、次世代の光触媒や電極等への応用が期待されている。白金担持で光触媒的に水素を発生することが知られているが、本研究では、有機分子触媒(主にπ電子共役系を含む)の担持で、金属フリーの新規な水素発生光触媒を開発する。これまでに安息香酸を触媒とする犠牲剤存在下・可視光照射下での水素発生を確認したが、水素発生機構は明らかでない。π電子共役系を有する各種有機分子を担持し、結晶構造、電子構造、光触媒特性への影響を解析することで、光触媒水素発生機構を明らかにするとともに、新規な金属フリー光触媒の設計指針を見出す。
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研究成果の概要 |
有機分子とg-C3N4のπ共役系が作用して水素発生の活性点となるメカニズムが存在すると仮定し、そのメカニズムの解明と高い活性の有機分子の探索を目指した。疎水基と親水基の両方を有する溶解度の低い分子を担持すると水素発生活性を示したが、再現性が低い問題があった。比較的活性の高いg-C3N4にフッ素原子のコンタミネーションが見られたため、フッ素樹脂をg-C3N4に添加したところ活性の向上が見られた。その後、フッ素樹脂や有機分子添加量をコントロールしたが、定量的な解析はできなかった。最終的に、時折観測された高い活性はフッ素樹脂がめのう乳鉢から拾った金属(特に白金)によるものと結論づけられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グラファイト状窒化炭素は普遍的に存在する炭素、窒素、水素原子だけで構成されている。このメリットを活かすために、貴金属触媒を用いず、有機分子触媒を用いて水素を発生する技術に挑戦したが、有機分子にはそのメリットを活かせるだけの触媒効果がないことが確認できた。また、注意深く実験器具を洗浄してもフッ素樹脂や貴金属が窒化炭素を汚染することが確認され、これが大きく水素発生速度に影響を与えてしまうことが確認できた。白金に匹敵する効果を持つ触媒を用いる場合には問題にならないが、新規で活性の明らかでない触媒を適用する場合には、貴金属を使用する実験と器具を共有しない必要がある。
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