研究課題/領域番号 |
19K05075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
齋藤 嘉一 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (10302259)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | Mg-Y-Zn合金 / 過飽和固溶体 / 高温変形 / Suzuki効果 / TEM/STEM / EBSD / Mg合金 / 拡張転位 / TEM/SEM / LPSO型マグネシウム合金 / マグネシウムーリチウム合金 / 走査透過型電子顕微鏡 / Mg-Gd-Zn合金 / 積層欠陥 / 変形応力 / HAADF-STEM / マグネシウム合金 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,希土類金属を含むMg合金の高温塑性,特に原子拡散を伴うすべり変形に関する情報を電子顕微鏡法を駆使して集め,HCP構造の底面上で活動するa-転位と溶質偏析との相互作用とその機械的性質への影響を明らかにすることを目指す。そこで,高温強度の改善作用をもつRE元素としてY, Gd, Dyのいずれかを単独添加あるいはZnやAlと共に複合添加した希薄固溶体を試験対象に中高温域での圧縮変形挙動を評価する。このとき,新顕微鏡技術であるHAADF-STEM法を駆使し,高温変形で発現する拡張転位上の溶質偏析(Suzuki効果)の実態を直接的に検証し,その知見をMgの耐熱強化指針に応用することを目指す。
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研究成果の概要 |
希土類金属としてY,遷移金属としてZnを選び,これらを単独もしくは同時に含む二元系ならびに三元系のMg合金の過飽和固溶体に対して高温変形挙動を比較調査した。その結果,YとZnを同時に含む三元系固溶体の強度が最も優れ,特に300℃で変形応力を加えた場合にSuzuki効果が活性化することが明らかになった。同効果はYもしくはZnの単独添加の場合や,200℃以下の試験では発現しなかった。こうして三元系固溶体において,顕著に優れた高温強度が現れるのは,このSuzuki効果の活性化に原因があると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Mgは軽量性や比強度,資源上にメリットをもつにとどまらず,リサイクル性や生体安全性に優れる点も含め,持続可能社会推進に適う戦略的金属といえる。特に自動車部品へのMg合金の採用は,その膨大な市場規模や市場安定性からみて,今後のMg需要の拡大を牽引する最大の産業分野である。本研究が追究する成果は,鋳造用Mg合金を対象に耐熱性という高付加価値を生み出し,マルチマテリアル化の進展をはじめ,マグネシウム材料の用途拡大に貢献する可能性を秘めている。
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