研究課題/領域番号 |
19K05078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
吉田 健吾 静岡大学, 工学部, 准教授 (70436236)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 結晶塑性 / 塑性加工 / 結晶塑性モデル / シミュレーション / 塑性異方性 / 転位密度 / 数値実験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,転位の堆積によるすべり抵抗の上昇と転位同士の切り合いによる強度上昇の両者を予測可能な結晶塑性モデルを構築する.開発した結晶塑性モデルを有限要素法に組み込み,結晶粒内部で起こる転位の堆積と切り合いを模擬することで,圧延板が有する変形・強度の異方性を解析できる数値実験手法を確立する.本手法を用いることで,従来,実測が困難であった塑性加工中に部品内部に発生する多様な二軸応力状態に対する異方性を明らかにする.そして,その結果を塑性加工シミュレーションに反映させることで,塑性加工シミュレーションの精度向上を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究ではアルミニウム合金板を対象として,転位密度に基づく結晶塑性モデルによる塑性異方性の予測精度を検証した.また,結晶塑性モデルを汎用の有限要素法ソフトウェアに組み込むことで,円筒深絞りの成形シミュレーションを実施した.転位同士の相互作用行列を全て等しく設定することで実験結果を最もよく予測できることが分かった.さらに,結晶方位を微修正することで,さらに予測精度を向上できる方法を提案した.これらの結果は従来の巨視的塑性論によるシミュレーションよりも精度が高いことを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
結晶塑性モデルを用いた塑性加工シミュレーションを実現したことは,技術の適用範囲の拡大ならびに産業界への技術移転を容易にするものであり,その価値は高い.結晶塑性モデルによる予測精度が巨視的塑性論よりも高いことは重要な結論である.つまり,本手法を適用することで,従来の解析精度よりも一段階精度の高い解析を実現できることを示した.本研究の成果によって,結晶塑性モデルに基づく成形シミュレーションが広く普及することが期待できる.
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