研究課題/領域番号 |
19K05080
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
北村 貴典 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70274553)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 抵抗スポット溶接 / 継手強度 / 複合荷重 / 高張力鋼板 / 荷重角度依存性 / 荷重角度 / 力学 |
研究開始時の研究の概要 |
抵抗スポット溶接重ね継手の静的強度について,ナゲットに対して斜め方向に荷重負荷を与えた場合の継手強度の検討は溶接継手構造物の強度設計において安全性を確保する上で必須の課題といえる.そこで,本研究では実験,理論計算,数値解析を利用して抵抗スポット溶接重ね継手の静的強度に及ぼす荷重角度依存性を解明し,強度評価技術を確立することを目的とした.
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研究成果の概要 |
異なる母材引張強さの鋼板を用いた抵抗スポット溶接重ね継手に斜め方向に荷重負荷した際の継手強度に及ぼす荷重角度依存性を調査した結果,全ての鋼板で荷重角度が増加すると一旦低下し,最下点を示した後に増加する傾向があることを明らかにした.また,FEMを用いてマクロな鋼板の変形や応力状態を精度よく推定する手法を確立した.マクロな力学モデルを援用することで複合荷重下における抵抗スポット溶接継手の強度評価方法が確立できた.さらに破面観察結果およびFEMによる破断直前の板厚方向応力分布計算結果から母材強さが高い鋼材では2枚の鋼板間の開き角度増大に伴う鋼板の曲げが大きく影響する因子であることを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抵抗スポット溶接された継手に引張せん断荷重や十字引張荷重が重畳した,いわゆる多軸応力が作用するような複合荷重下での強度についてはJISやISOなどの国内外の規格では規定がなく,ほとんど検討されていない.よって,荷重角度と継手強度の因果関係を示す因子は国内外ともに検討された例はほとんど無かった.また,斜め方向に引っ張る荷重の角度によっては規格で規定された引張せん断強度,十字引張強度より低い荷重で破断する実験結果を示した.この事実は溶接継手構造物の強度設計を見直す必要を示唆している.この強度低下要因,継手強度の荷重角度依存性を明らかにしたことが本研究の意義である.
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