研究課題/領域番号 |
19K05087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 阿南工業高等専門学校 |
研究代表者 |
安田 武司 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 准教授 (70610468)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | レーザ焼入れ / アコースティックエミッション / AE / マルテンサイト変態 / 非破壊検査 / その場検査 / Acoustic emission / AE法 / Acoustic Emission / アコースティック・エミッション |
研究開始時の研究の概要 |
アコースティック・エミッション(AE)とは、固体材料に蓄えられたひずみエネルギーの解放に伴って材料内部に弾性波(主に超音波領域)が放出される現象であり、炭素鋼の硬化が得られる焼入れ時にも観察される。本研究の目的は、このAEを用いた炭素鋼に対するレーザ焼入れの非破壊その場検査法の確立である。焼入れ時に発生するAEを検出し、生成した硬化組織体積(焼入れ深さ)とAEの波形エネルギー等との対応を実験により確認する。この対応関係を既知とできれば、高価な製品となることの多いレーザ焼入れ品の製造工程に適用可能な非破壊その場検査法の確立につながり、品質保証の低コスト化を図ることができる。
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研究成果の概要 |
クロムモリブデン鋼試料にレーザ焼入れ実験を施し、マルテンサイト変態に伴うアコースティックエミッション(AE)を検出した。焼入れ部(HAZ)の顕微鏡組織観察を実施し、HAZ内部のマルテンサイト組織生成を確認した。HAZ体積を測定・算出したところ、レーザ出力に伴って増加する関係が明確となった。なお、HAZにはレーザ焼入れによる十分な硬度上昇が確認され、マルテンサイト組織形成が改めて判断された。検出されたAE波のエネルギー相当値と先に算出したHAZ体積に高い相関関係が見られ、レーザ焼入れによるHAZおよびマルテンサイト組織の生成を、AEにより非破壊その場観察的に判断できる可能性を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究に近いものとして、YAGレーザによる鋼への表面焼入れと焼入れ状態の評価にAEを適用した関連研究がある。ただし「焼入れ部分の硬さを非破壊的に検査する方法としてAEは有効」との結論であり、本研究が達成したレーザ焼入れの体積とAEとの関係性は示されていない。海外では過去にスポット溶接部のマルテンサイト組織生成についてAE観察を実施した研究(S.M.C.van Bohemen et al., J of Phys. D Applied Physics, Vol.34 (2001), pp.3312-3317)が発表されているが、本研究はレーザ焼入れに着目しており新規性を有する結果を残している。
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