研究課題/領域番号 |
19K05088
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
菊池 章弘 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (50343877)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 超伝導線材 / Nb3Al / 通電加熱 / ガス噴射急冷 / 冷却速度 / 極細線 / ジェリーロール法 / ガス急冷 / 線材 / 急冷 / 不活性ガス / ニオブアルミ / ガスジェット |
研究開始時の研究の概要 |
Nb3Al線材は他の線材と比較して耐ひずみ特性に優れており、電磁力の影響を大きく受ける高磁場・大口径磁石への応用が期待されている。しかし現在のNb3Al線材の製法は複雑且つ高コストで、プロセスの抜本的な見直しが必要である。そこで、Nb3Al線材の高性能化には高温加熱と急冷が不可欠だが、本研究では従来の金属Ga急冷から高速気流噴射急冷に大転換を図る。そして、Nb3Al線材のためのガスジェット急冷装置を自作して様々な条件で作製した線材組織と超伝導特性を調査し、Nb3Al線材の潜在性能を顕在化するとともに本新製法を用いた量産化技術の基盤となる知見を獲得する。
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研究成果の概要 |
高特性のNb3Alの生成には約2,000℃の高温熱処理が必要である。一方で高温熱処理は結晶粒を粗大化させ、臨界電流密度は低くなる。従来の通電加熱と液体金属急冷プロセスの簡素化のためにガス噴射急冷を検討した。高い冷却効率を得るために線径の極細化を図り、外径50ミクロンで長さが1,000メートル以上の長尺超極細Nb/Al前駆体線の試作に成功した。超極細線の連続通電加熱には高度な張力制御の追加検討が必要であることが判明したが、超極細線ではNbとAlの拡散距離が大幅短縮され、熱処理温度の低下や熱処理時間の短縮が期待でき、本研究により特殊熱処理が不要な新たな量産プロセスの可能性が見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脱炭素社会の実現に向けて将来のベース電源として期待される核融合炉や、素粒子物理のみならず重粒子線照射や核変換技術などの産業応用も期待される加速器などでは、高磁場下でも高い臨界電流密度が得られる高性能超伝導線材が必要とされている。特に電磁力に対して強いNb3Al線材はその実用化が長年待望されているが、線材化プロセスが複雑で実用化が難航している。本研究で得られた成果は、Nb3Al線材の製造法を簡素化させるだけでなく、極細径であることから可とう性の向上も図ることができる。線材のハンドリングを大幅に改善して巻き線加工が容易になり、高性能超伝導マグネットの製造コストの低減に貢献することも期待できる。
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