研究課題/領域番号 |
19K05098
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 福井工業大学 (2020-2021) 大阪大学 (2019) |
研究代表者 |
井藤 幹夫 福井工業大学, 工学部, 教授 (00294033)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | パルス通電焼結 / 通電加熱 / 緻密化 / 局所加熱 / 低消費電力 / 昇温速度 / 省電力 / 微細組織制御 |
研究開始時の研究の概要 |
パルス通電焼結において全印加電流を粉末成型体に投入する直接通電焼結プロセスは,導電性粉末焼結体の高機能化・高性能化に極めて有効である.一方,現状では室温から通電が可能かつ比較的電気抵抗率の高い導電性材料にその適用が限られるなどの課題に対し,新たに良導電性材料について大電流印加を利用した急速局所加熱効果の導入により,広範な材料系へ適用可能となる新規な高効率焼結手法を確立するとともに,様々な機能・構造材料デザインを革新する高機能化・高性能化プロセスとして実現する.
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研究成果の概要 |
直接通電焼結においてβ-FeSi2焼結体を作製し,従来の黒鉛ダイを用いた焼結と比較し,パルス通電焼結法における直接通電が緻密化挙動や熱電特性に及ぼす効果について調査した.直接通電により,圧粉体の緻密化が大きく促進され,その結果従来法に比較してより微細な結晶粒からなる緻密体が得られることが分かった.これにより,熱伝導率を大きく低減でき,性能指数を約2倍に高めることに成功,本プロセスが熱電材料の高性能化に有効であることが分かった.また,緻密化促進効果が得られにくい金属粉末においても昇温速度を高めることにより局所加熱効果が得られ,緻密化促進効果による高効率焼結が可能となることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
直接通電焼結プロセスにより,β-FeSi2焼結体の低温迅速緻密化が可能となることで,従来のSPS焼結では不可能であった微細組織からなる焼結体の合成が可能となり,熱電性能を大幅に向上できた.この効果は,他の熱電材料のみならず,様々な材料において微細組織化を可能にし,それによる機能特性向上に有効であることが期待される.また,緻密化促進効果が得られにくかった金属粉末においても,高速昇温化により緻密化促進およびそれによる高効率焼結が可能となり,本プロセスが広く広範な材料系において適用可能となることを明らかにできたことは,今後の機能・構造材料デザインの可能性を大きく拡大できるものと期待される.
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