研究課題/領域番号 |
19K05110
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
佐々木 秀顕 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (10581746)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | リサイクル / 状態図 / 電解精錬 / 電解製錬 |
研究開始時の研究の概要 |
銅や貴金属をリサイクルするために,よりエネルギー消費の少ない精錬プロセスが求められている.しかし,既存の銅の電解精錬においては銅アノードに含まれる不溶性の元素が銅の溶解を阻害することが知られるため,多様な銅の原料に対応可能な新しい電解精錬技術が求められている.本研究では,電解精錬技術の改良する上で基礎となる電極反応について知見を得るために,不純物を含んだ銅アノードの溶解反応を調査し,アノード表面におけるスライム発生および硫酸銅析出の機構を明らかにする.
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研究成果の概要 |
電解精製の適用が困難な銅(Cu)-銀(Ag)-アンチモン(Sb)三元系合金に着目し,その凝固組織を理解するために高温の平衡相を顕微鏡観察およびX線回折により調査した.また,不均一な銅合金アノードの溶解および不動態化過程を理解するために,組成の異なる合金を並列に接続して作製した電極に対して対流ボルタンメトリーを行いながら顕微鏡による表面観察を行った.不均一な合金表面では溶解しやすい領域において電流が集中することで,硫酸銅の析出が場所ごとに順次進行して不動態化に至る過程が観察された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電気自動車や電気電子機器には銅をはじめとした非鉄金属が使用されており,資源を確保するためのリサイクルが重要となる.しかし,リサイクル原料は鉱石と異なる組成を有するため,既存の製錬技術をそのまま用いることはできない.とくに電気電子機器に含まれる Ag および Sb は銅の電解精製を妨げることが知られる.本研究では製錬過程におけるこれら不純物元素の挙動を明らかにするために,Ag および Sb を高濃度に含んだ銅合金の凝固組織を理解するとともに,不均一な組織を有するアノードの不動態化過程を観察し,リサイクルプロセスを開発するための基礎的な知見を得た.
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