研究課題/領域番号 |
19K05119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
中村 一穂 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30323934)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ろ過 / 膜分離 / 水処理 / 電気粘性効果 / 界面動電現象 / 電気二重層 / 多孔質膜 / 圧力損失 / 膜ろ過 / ゼータ電位 / ナノ・マイクロスケール / 固液界面 |
研究開始時の研究の概要 |
ろ過ケーク層や多孔質膜など微細空間(ナノ・マイクロスケール空間)を液体が透過する際に生じる圧力損失の界面科学的な新しい理解とそれに基づく圧力損失低減方法を開発する。 1.微細空間サイズと界面物性の新しい評価方法の開発と圧力損失の界面科学的理解 微細空間内における圧力損失を、界面動電現象およびハンセンの溶解度パラメーターによる定量的な評価方法を開発し、新しい圧力損失モデルを構築する。 2.表面改質と溶質開発による”質”的な圧力損失低減効果の探索 固体表面の親・疎水性、荷電特性、高分子電解質層などの表面物性と圧力損失の関係を解析し、圧力損失低減を目的とする表面改質および機能性溶質を探索する。
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研究成果の概要 |
本研究は、多孔質膜や濾過ケーク中の微細な間隙(ナノ・マイクロ空間)を液体が透過する際に生じる圧力損失の界面科学的な新しい理解とその理解に基づく圧力損失低減法の開発を目的とした。多孔質ガラス膜の圧力損失に及ぼすKCL濃度の影響を詳細に検討した結果、純水に近い低濃度域では圧力損失が増加する傾向が観察され、これは細孔内に発達した電気二重層の重なりに伴い見かけ上液体の粘度が上昇する電気粘性効果により説明された。この電気粘性効果に及ぼす表面改質、界面活性剤吸着について詳細に調べたところ、無荷電、疎水性表面が電気粘性効果を低減させることが見出され、界面制御に基づく新しい圧力損失低減法が提案された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生活排水の処理や工業用の純水製造など多くの分野で多孔質膜を用いた膜ろ過操作が用いられて、水環境の保全や先端科学産業を基礎から支えている。このような、分離プロセスではエネルギーの消費が大きなことが最大の課題であり、エネルギーは液体がろ過膜やケーク層の中の微細な空間を透過する際に生じる圧力損失として消費される。プロセスの省エネルギー化のために圧力損失の根本的な現象について電気粘性効果に基づく理解を行った。さらに電気粘性効果を利用した新しい圧力損失の低減方法を提案し、この方法を応用することにより、従来にはない非常に簡便な方法でろ過プロセスの省エネルギー化を達成することができる。
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