研究課題/領域番号 |
19K05123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
佐伯 隆 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (30253165)
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研究分担者 |
貝出 絢 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (50773074)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 抵抗低減効果 / 地中熱利用システム / 採熱管 / 省エネルギー / 配管摩擦抵抗 / ポンプ所要動力 / 抵抗低減剤 / 界面活性剤 / 地中熱利用 / メリット算定 / 実証試験 / 流体摩擦抵抗 / 実用化 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題は、地中熱利用による空調設備を対象とし、これに申請者のシーズである流体輸送の省エネルギー技術『抵抗低減効果』を複合することで、地球にやさしい省エネルギー空調システムを開発するものである。地中熱利用システムの配管は数百mにおよび、予想以上に送水動力を消費する問題がある。また、関東以北では、熱媒としてブラインが使用されている。本課題はブラインに対して有効な抵抗低減効果を示す添加剤の最適化を行うとともに、関東以西(水を使用)と関東以北(ブラインを使用)の地中熱利用システムの実機設備を使用した実証試験を行い、省エネルギー効果とシステム全体のメリットを評価できる手法の構築を目的とするものである。
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研究成果の概要 |
地中熱利用システムは、再生可能エネルギーである地中の温度(年間を通じて約15℃)を利用するもので、これに抵抗低減効果を複合する研究を行った。千葉県に設置された実証試験設備(全長約234 mの採熱管とコイル)を使用し、世界で初めての抵抗低減効果の適用実験を行った。この結果、循環ポンプの省エネ効果は16.0%であった。広島県に設置した試験設備(全長200 mの採熱管2系統)では、抵抗低減剤の添加により、採熱管の圧力損失が40.6%低減した。これらの実験データをもとに、採熱管を伴った循環系に対して抵抗低減効果を適用したときのメリットが算定できるシステムを完成させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抵抗低減効果に関する最近の研究は流体シミュレーションが主体で、実験データが不足している。省エネ技術として有望な本技術の用途拡大のため、地中熱採熱管を用いた実験データが必要である。本課題では実際の地中熱利用システムにおいて、世界初の抵抗低減効果の複合化実験を行い、定量的なメリットを得た点で学術的意義がある。また抵抗低減剤の配合、濃度、防錆剤の選択と濃度等の最適化データを取得したことで、長期間に渡って安定した効果を示す添加条件が決定できる。さらに、抵抗低減効果を導入に際し、開発したメリット算定システムはF/Sに利用できるツールになりえ、複合化の実用化が可能になったという社会的意義は大きいと考える。
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