研究課題/領域番号 |
19K05127
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
甲斐 敬美 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (00177312)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 拡散 / 非等モル拡散 / 多成分系拡散 / 分子拡散域 / Grahamの法則 / 非等モル / 細孔 / 多成分系 / 分子拡散 / 相互拡散 |
研究開始時の研究の概要 |
多孔質触媒、燃料電池電極やマイクロチャンネル内での気体運動(拡散)によるガス交換速度を表す式は基本的にはいくつかの現象をまとめて表す近似的な係数が使われている。しかし、物質の移動速度や拡散による濃度分布の推算精度を高め、設計ツールとして化学工学の考え方を生かしていくためには、できるだけその現象に忠実に従ったより科学的な裏付けのあるモデルが必要である。本研究ではこのような微小空間における気体の拡散現象をより正確に表すことができるモデルの構築を目的としている。
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研究成果の概要 |
等圧条件における多孔質体において気相二成分の非等モル拡散が起きることは1833 年に報告されている。この現象はGraham の法則と呼ばれているが、そのメカニズムは明らかにされていない。また、現在、多成分系のガス拡散は二成分間の等モル相互拡散係数を組み合わせた式で説明されており、現象を反映していない。本研究ではすでに提案している分子固有の拡散係数を導入したモデルに組成に応じた異種分子との衝突頻度を考慮して、気相多成分系の拡散へ拡張した。モデルによる計算結果と定容系における三成分のガス拡散の実験結果との比較を行い、Fickの法則では説明できない現象の解釈を含めこのモデルが妥当であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多成分系拡散は等モル相互拡散係数を組み合わせて説明がなされている。しかし、この考え方では1833年に発見された分子拡散域にある細孔内での等圧非等モル拡散が説明できない。そこで二成分系に対してすでに提案している分子固有の拡散係数を使ったモデルを三成分系へ拡張し、浸透拡散、逆拡散および拡散障壁などFickの法則では説明できない現象を正しく表現することができた。多孔質触媒、燃料電池の電極やマイクロチャンネルなどの微小空間での多成分拡散現象を正確に記述することは今後ますます重要になってくると思われる。このような現象の評価に設計ツールとして化学工学の考え方を生かす際に本研究の成果は役立つと考えられる。
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