研究課題/領域番号 |
19K05149
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
谷池 俊明 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (50447687)
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研究分担者 |
THAKUR Ashutosh 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特任助教 (80836833)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 協奏的触媒作用 / 機能集積 / 高分子鎖担持型触媒 / 精密設計 / オレフィン重合 / エチレン重合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の狙いは、固体触媒の多機能性と分子触媒の精密設計を併せ持つ新しい触媒系の提案にある。精密合成された高分子鎖に同種ないしは異種の活性金属中心を集積させる。この高分子鎖担持型触媒は、溶液中でナノサイズのランダムコイル状態を取るため、その中に束縛された活性金属中心間に協奏作用が働くものと期待される。活性金属中心の集積度や高分子鎖の分子設計を通して機能集積と協奏的触媒作用の制御を実現する。
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研究成果の概要 |
本研究では、分子触媒の設計精度と固体触媒の多機能性を両立する新規触媒系の確立を目指し、精密重合により得られる単分散の高分子鎖に規定数の分子触媒を担持した高分子鎖担持型触媒を開発した。溶媒中でランダムコイル状態を取る高分子鎖はナノサイズのリアクターと見做すことができ、その中に束縛された分子触媒が協奏的に作用する。高分子鎖担持型触媒は、エチレン重合において未担持の分子触媒と比較して高い活性を示し、分子鎖当たりの活性点数が増大するほど活性が増大する協奏的触媒作用を示した。さらに、異種の分子触媒を同一の高分子鎖内に担持することによる機能集積、高分子鎖の性質を利用した触媒性能の制御なども実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現行の化学プロセスの約2/3を支える触媒材料には、「分子触媒」と「固体触媒」という2つの概念が存在する。分子触媒は、分子構造と機能の対応を精密設計できるため活性や選択性に優れるが、単機能的である。一方、固体触媒は、安価かつリサイクル性に優れ、役割の異なる活性成分を表面上に集積する多機能化に利点があるが、構造の不均一性などにより精密設計が難しく選択性に劣る。本研究では、制限のない機能集積と設計の均一性を兼ね備えた、分子触媒と固体触媒の概念を融合する新規な高分子鎖担持型触媒を提唱し、触媒の協奏的作用や多機能性の系統的な設計につながる重要な科学的知見を得た。
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