研究課題/領域番号 |
19K05171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
根来 誠司 兵庫県立大学, 工学研究科, 特任教授(名誉教授) (90156159)
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研究分担者 |
武尾 正弘 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (40236443)
加藤 太一郎 鹿児島大学, 理工学域理学系, 助教 (60423901)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ナイロン分解酵素 / バイオナイロン / 環境負荷 / X線結晶構造解析 / リサイクル / ポリアミド / 再資源化 / 耐熱性酵素 / プラスチック分解 / ナイロン / プラスチック / 酵素分解 / 立体構造 / 熱安定性 / 結晶構造解析 / タンパク質工学 / 代謝工学 / 6-アミノヘキサン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
ナイロンは、強度、耐熱性、耐薬品性に優れ、繊維・プラスチックとして広く利用されているが、リサイクル化が困難なため、使用後のポリマーの大半は、焼却・廃棄処分されている。本研究では、各種ナイロンに対する酵素活性と、タンパク質安定性において、卓越した特性を有する酵素を、X線結晶構造解析と計算化学による分子設計から創出し、合成ポリアミドの酵素変換を可能にする革新的なバイオシステムの構築を目指す。さらに、ナイロンモノマーの代謝に関するフラックス解析を実施し、6ナイロンモノマー生産の技術基盤を確立する。
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研究実績の概要 |
近年、各種ポリマー材料について、着目する物性や機能の高度化が求められている。これまで、機器分析の高度化により、ポリマー構造の詳細が解明されつつあるが、高分子素材の直接分析では、微細構造の解析に限界がある。一方、生体高分子では、基質認識が異なる種々の酵素を用いて、その生成物の精密分析から詳細な構造解明が実現している。本年度は、特に、NylB(エキソ型オリゴマー分解酵素)とNylC(ナイロン分解酵素)について、脂肪族ナイロン(6ナイロン、66ナイロン等)を酵素分解させ、反応前後の変化を、各種機器分析で検討し、本法の原理検証を行うとともに、反応に適切な酵素の選抜を行った。ナイロン分解酵素の工業的利用のためには、酵素の安定化が必要である。現在、親型酵素から36℃安定な酵素を取得しているが、本分析システムにて利用する上で、問題がないかを検討した。熱安定性については、取得したHis-tag化酵素をCD測定装置を用いて測定した。測定試料を1℃/分の速度で25℃から95℃まで上昇させ、220nmにおけるモル楕円率(θ)の変化を測定した。従来は、Tm値は熱変性曲線から作図法で求めていたが、精度を高めるため、科学計算解析プログラムIgor Pro8のマクロファイルを用いて、熱変性理論式に基づいて、熱変性温度と熱変性のエンタルピー変化を算出した。対照として、His-tagが付加されていないNylC-GYAQ変異体の熱変性データについても、同様の解析を実施した。その結果His-tagGYAQ変異体の熱変性温度(Tm値)は84℃であり、親型NylCよりも30℃高く、高温での酵素反応の実施が可能であること、His-tag付加により熱変性Tm値が約1℃低下するが、実用上は問題がないと判断した。さらに、イタコン酸含有ナイロンなど、モノマーユニットの認識が異なる種々の変異酵素の取得を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
迅速な精製が可能なHis-tag酵素の高発現化に成功し、精製酵素の特徴付け(熱安定性評価とナイロン基質に対する活性測定)を実施した。また、ナイロンを溶液中に均一分散させるための方法論を確立し、分解性を既存の薄膜法、微粒子分散系と比較し6倍程度上昇させることに成功した。その結果、各種ナイロン試料の分析に好適な条件を確立することができた。さらに、本研究で構築したナイロン分解酵素は、イタコン酸を含有するナイロンなど、種々の脂肪族ナイロンへ作用することが確認でき、実用化へ有望な特性を有することが確認できた。従って、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
長時間反応の実施が可能な酵素を、迅速に調製することが可能な手法が確立できたことから、応用展開が期待できる。また、均一分散系ナイロンの分析分野のみならず、有用物質への変換などの産業応用においても有用な可能性が確認できた。従って、今後は、イタコン酸含有ナイロン、4ナイロンなど、バイオナイロンとして注目されている新規ナイロンや、芳香族ポリアミド、ポリウレタンなどの酵素分解についても、継続した開発を実施していくことが重要であると考えている。
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