研究課題/領域番号 |
19K05173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
三宅 克英 名城大学, 理工学部, 教授 (90252254)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | リグニン / 陸ガニ / ラッカーゼ / パーオキシダーゼ / 植食性 / グアヤコール / 2,6-ジメトキシフェノール / バイオマス / アカテガニ / ABTS / 中腸腺 / RNA-seq |
研究開始時の研究の概要 |
天然の原生林と海が接した海岸林に生息するアカテガニやクロベンケイガニなどの陸ガニ類は、海岸森林バイオマスの分解者として、海と森の間の物質循環に大きな役割を果たしている。本研究の目標は、これまで省みられることのなかった陸ガニ類のバイオマス分解能力を解析、同定、抽出し、生物工学的な応用を可能にすることである。森林バイオマスは、木や落ち葉などからなっており、これを食料とするアカテガニやクロベンケイガニは、草本系や木質系のバイオマスの主要成分を効率的に分解、吸収するシステムを持っていることが予想される。本研究では、陸ガニから得られた生物資源を用いてリグニンなどのバイオマス分解システムを構築する。
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研究成果の概要 |
海岸林のアカテガニやクロベンケイガニなどの陸ガニ類は、バイオマス分解者として、海と森の間の物質循環に大きな役割を果たしている。本研究では、これまで省みられることのなかった陸ガニ類のリグニンバイオマス分解能力を解析、同定、抽出し、生物工学的な応用を可能にすることを目的としている。本研究の結果、1)陸ガニ類の中腸腺のRNA-seqを実施し、リグニンを含むバイオマス分解活性を担う酵素遺伝子群を発見した、2)陸ガニ類のラッカーゼ活性とパーオキシダーゼ活性について草食性との強い関連性を明らかにした、3)特に重要と思われるラッカーゼとパーオキシダーゼを大腸菌で発現させ、酵素活性を確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、バイオマス分解酵素の新規供給源を開拓する研究であり、その対象として草食性陸ガニ類を選択したものである。分解をめざすバイオマス構成因子として、非常に分解の難しいとされるリグニンを選択している。本研究成果では、草食性陸ガニ類から、強いリグニン分解活性を検出できており、またその遺伝子群の単離にも成功した。大腸菌等での生物工学的な生産は十分ではないが、改善できれば、リグニン分解酵素として新しい選択肢を提示できる。
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