研究課題/領域番号 |
19K05186
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
大谷 政孝 高知工科大学, 環境理工学群, 准教授 (20585004)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 配位高分子 / 金属有機構造体 / ナノ結晶 / 相転移 / 固体発光 / 単結晶 / 電子顕微鏡 / ナノサイズ化 / 熱分析 / 結晶構造解析 / 構造相転移 / サイズ制御 / 外形制御 / サイズ効果 / 外形効果 |
研究開始時の研究の概要 |
配位高分子は金属イオンと有機配位子の組み合わせから様々な多孔質空間を創生することが可能であり、無機多孔質材料とは全く異なる新たな多孔体としての機能が期待されている。本研究では、多孔性配位高分子の精密なサイズ・構造制御手法を確立し、サイズ・外形ごとに物理化学的に精査することで、ナノサイズ化した配位高分子の物理的・化学的性質を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
ナノスケールで結晶サイズ・外形が制御されたPCP/MOF結晶において特異な物性変化が現れることを実証した。具体的には、従来は熱的に安定な結晶相を示すと考えられてきたPCP/MOF結晶について、結晶サイズのナノサイズ化に伴って前例のない熱的結晶相転移が現れることを見出した。また、結晶のナノサイズ化は結晶内部の細孔空間に閉じ込められた分子の物性に与える影響も顕著であった。ゲスト分子として蛍光色素を包接した色素包接ナノ結晶では、固体状態においても高い蛍光量子収率を示すことを明らかにした。さらに、包接された蛍光色素とナノ結晶表面に吸着した色素の間のエネルギー移動効率にもナノサイズ化の影響が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた成果は、PCP/MOF結晶のナノサイズ化に伴う物性の変化を様々な物理化学的な考察から実証するとともに、「精密に結晶サイズ・外形が制御された配位高分子(PCP/MOF)の結晶は、固有の物理的・化学的性質を示すか?」という学術的な問いに対して、前例のない有用な知見を与えている。また、学術的な意義とともに、PCP/MOF結晶の溶融・ガラス転移などの基本的な熱的な物理特性の制御は、新材料としての成形加工性において重要であり、応用的な側面からも今後の発展が期待される成果が得られたと確信している。
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