研究課題/領域番号 |
19K05199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐藤 徹哉 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (20162448)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 量子井戸 / Pd超薄膜 / Pt超薄膜 / 磁気異方性 / 電気的手法 / 磁性制御 / 放射光実験 / 4d/5d遷移金属 / 超薄膜 / 磁気異方性制御 / Pd, Pt超薄膜 / 第一原理計算 / 電場印加 |
研究開始時の研究の概要 |
磁気デバイスの省エネルギー化への要求から電場を用いた磁気異方性制御が注目されている。本研究では、PdおよびPtの(100)薄膜に生じる量子井戸(QW)状態を電場で操作し、それにより隣接するFeおよびL10-FePd強磁性薄膜の磁気異方性制御を行う手法を提案し、実証する。QW状態はフェルミエネルギーまたは界面位相シフトを電場で操作することで変化することから、その変化に伴う隣接強磁性薄膜の電子状態の変調を通して磁気異方性を制御することが可能である。この手法を用いた磁気異方性制御の実証に加えて、その起源を放射光実験および第一原理計算等を用いて解明する。
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研究成果の概要 |
PdとPt薄膜に生じる量子井戸状態を電場で操作して隣接する強磁性薄膜の磁気異方性制御を行う方法を提案し、実証することを目指した。 第一原理計算を用いてPd超薄膜の磁性の制御が界面電子状態の変調を介して可能であること、Fe/Pd多層膜においてPd層に形成される量子井戸がFeの磁気モーメントや軌道磁気モーメントの変化を介して変調されることを見出した。放射光実験によりPt(100)薄膜に見られる強磁性がPt固有であることは分かったが、純粋なPtの軌道磁気モーメントはPt化合物のものよりはるかに小さく、Ptと隣接磁性金属の接合で磁性金属の磁気異方性を大きく変調させることは困難なことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
磁気デバイスの省エネルギー化への期待から磁気異方性の電場制御が注目され、これまで多くの手法が提案されている。しかし、現在までその物理的基盤が明確で広範に利用可能な磁気異方性の電場制御法は確立されていない。 本研究では、PtおよびPd薄膜中に形成される量子井戸状態の電場による操作を用いて、隣接する強磁性薄膜の磁気異方性の制御を実現する新たな手法を提案している。この手法の物理的基盤は明確であり、広範に利用可能である。しかし、純粋なPtの軌道磁気モーメントがPt化合物等に見られるものよりはるかに小さいことが分かり、この手法を用いた磁気異方性制御は容易ではないことが明らかにされた。
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