研究課題/領域番号 |
19K05208
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 祐 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90566027)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 造影剤 / MRI / ナノ粒子 / ガドリニウム / 磁気共鳴 / イメージング / 磁気共鳴イメージング / 緩和能 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らが開発した生体適合性ナノ粒子型 Gd-MRI 造影剤について、その性能の深化を目指し、種々の粒径・表面修飾および組成におけるプロトン緩和機構を NMR および MRI を用いて詳細に解析する。得られた知見とこれまでの報告を比較することで、ナノ粒子型 Gd-MRI 造影剤のプロトン緩和能について、高性能化への新たな指針を見出すとともに、動物実験によってその効果を検証する。最終的には、細胞単位での MRI 検出を可能にする新規造影剤を創製し、細胞の動きや病態メカニズム解明へ向けたツールとしての利用を目指す。
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研究成果の概要 |
ガドリニウム (Gd) は高い常磁性を有し水プロトンの縦緩和時間(T1)短縮効果が高いため磁気共鳴撮像法(MRI)でのコントラストを増強できる.臨床使用されるキレート型Gd-MRI造影剤は高濃度投与による毒性発現が懸念されており,投与量低減のためより高いT1 短縮効果を持つ造影剤の開発が必要である.本研究では,新たに開発した新規ナノ粒子型 Gd-MRI 造影剤における T1 短縮機構を明らかにするため,核磁気共鳴(NMR)測定によりナノ粒子と水分子との相互作用を解析した.その結果,水分子と造影剤の相互作用を直接観察することに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,ナノ粒子の粒径の増加に伴い水分子 1H の縦緩和時間短縮効果能が高くなることを示すとともに,表面修飾剤の効果によって,17O NMR 測定において Gd と水分子の相互作用を観測できること,濃度・粒径依存性から,通常のナノ粒子型 Gd - MRI 造影剤と同様の表面積効果を有することを明らかにした.また,バルク水 17O 核横緩和速度の温度依存性から,粒径 25-160 nm において Gd に配位した水とバルク水との交換が比較的速いことが示唆された.本結果は,ナノ粒子型 Gd-MRI 造影剤のさらなる高感度化を実現するための指針となることが期待される.
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