研究課題/領域番号 |
19K05210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田村 厚夫 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (90273797)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ペプチド / ナノファイバー / 耐熱性 / ヘリックス / ナノチューブ / クライオ電顕 / レアメタル / 耐熱化 / ペプチドナノチューブ |
研究開始時の研究の概要 |
申請者の独自技術によって創製してきた機能性人工設計ペプチドナノチューブにクライオ電顕による構造解析法を適用する。得られた非結晶性ナノファイバーの原子レベルでの構造に基いた新たな精密設計を行うことで、超耐熱性という形質を付与する。これにより、常温でほどよく機能するという天然の生体物質の性質を超えて高温高機能となる生体ナノ材料を創製することは可能なのか、という問いに答えるべく研究を推進する。また、このような材料の創製は、生体物質に本来備わっている高い選択性などの高機能を、より高速にさらにはより過酷な条件化で発揮することにつながり、生体機能を新たな局面で発揮させる新技術となることが期待される。
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研究成果の概要 |
クライオ電顕の登場で、今まで他の手法で不可能であった非結晶性ナノファイバーの原子レベルでの構造解析が可能となった。申請者の独自技術によって創製してきた人工設計ペプチドナノチューブにこの構造解析法を初めて適用し、得られた構造に基いて新たな精密設計を行うことで、超耐熱性という形質を付与することを目指した。この結果、ペプチドの構造としては、らせん状のαヘリックスを基本とし、自己集合によって会合したナノファイバー構造となることで、転移温度が測定不能となる130℃を超えるものの創製に成功した。また、この集合体が、中温域で協同的に液晶様の構造転移を起こすという新たな現象を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物中で機能を担っている生体物質であるタンパク質とペプチドは、自然環境や生物中で働くため、通常は10-40℃程度で安定な構造を取っている。高温環境では、一般的にはタンパク質構造が壊れ機能が失われてしまう。この欠点を補うため、タンパク質(ペプチド)分子を規則的に多数集合させてナノファイバーとして非常に高い熱安定性を獲得することに成功し、高温での機能化への道筋をつけることに至った。さらに、分子的には水素結合1つの有無によって、分子集合体の方向が一斉に変化する液晶様現象を生じることから、ペプチド分子集合体の新たな構造転移の発見につながった。
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